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第五話 鉱山の魔獣


朝霧が、

街道を覆っていた。


テッドは、

腰の剣を確かめる。


ザイルとの訓練は、

続いている。


剣の握り。

足の運び。

間合い。


少しずつだが、

体が覚え始めていた。


ギルドの掲示板の前で、

一枚の依頼書が目に入る。


「旧ローデ鉱山

魔獣討伐」


報酬は、

今までで最高額。


だが、

注意書きがあった。


「複数パーティ壊滅」


喉が鳴る。


怖い。


だが、

目を逸らさなかった。


受付に持っていく。


「一人かい?」


「はい」


受付は、

眉をひそめる。


「忠告はしたよ」


テッドは、

うなずいた。


鉱山の入口は、

黒い口を開けている。


中は、

ひんやりしていた。


松明に火をつける。


足音が、

壁に反響する。


奥へ進むと、

砕けた武器や、

血痕が見えた。


心臓が、

早鐘を打つ。


そのとき。


ズズ……


岩が、

動いた。


違う。


岩に、

足が生えている。


岩甲獣。


※岩甲獣

岩のような皮膚を持つ

大型魔獣。


テッドは、

剣を構える。


岩甲獣が、

突進してきた。


速い。


横に転がる。


地面が、

砕ける。


背中に、

冷や汗。


剣で、

斬りつける。


――キン。


弾かれた。


刃が、

滑る。


硬すぎる。


ザイルの言葉を、

思い出す。


「硬いものは、

避けろ」


テッドは、

岩甲獣の周りを回る。


目。


小さな、

黒い点。


そこしかない。


岩甲獣が、

腕を振り下ろす。


テッドは、

踏み込んだ。


剣を、

突き出す。


――ズブリ。


悲鳴。


岩甲獣が、

暴れる。


テッドは、

剣を抜き、

再び突く。


三度。


岩甲獣が、

崩れ落ちた。


荒い息。


全身が、

震えている。


頭の中に、

文字が浮かぶ。


――剣技レベル5


テッドは、

松明を握りしめた。


生きている。


それだけで、

十分だった。


鉱山の外に出ると、

朝日が昇っていた。


テッドは、

空を見上げた。


「……まだ、

進める」


小さく、

つぶやいた。


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