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第十話 魔王との決戦


魔王城は、

黒い山の頂にあった。


雲を突き抜ける尖塔。


空気は、

重く、

冷たい。


テッドは、

城門の前に立つ。


背後には、

部隊の仲間たち。


「ここから先は、

俺が行く」


ざわめき。


「部隊長!」


テッドは、

振り向いた。


「俺は、

剣士だ」


「剣士の仕事は、

最前線に立つことだ」


仲間たちは、

歯を食いしばり、

うなずいた。


城門が、

ゆっくり開く。


中は、

静かだった。


不気味なほど。


通路を進む。


魔物が、

現れる。


テッドは、

立ち止まらない。


斬る。


倒れる。


斬る。


倒れる。


血が、

床を濡らす。


奥へ。


さらに奥へ。


巨大な扉の前に、

辿り着いた。


扉が、

ひとりでに開く。


玉座。


そこに、

魔王が座っていた。


黒い鎧。

赤い目。


「来たか、

人間」


テッドは、

剣を構える。


「お前を、

倒す」


魔王が、

立ち上がる。


一歩で、

距離が詰まる。


速い。


テッドは、

受け止める。


衝撃。


腕が、

砕けそうになる。


魔王の剣が、

連続で襲う。


重い。

鋭い。


テッドは、

必死で受け流す。


一撃、

肩を斬られる。


血が、

噴き出す。


「弱いな」


魔王が、

笑う。


テッドは、

歯を食いしばる。


――最弱だった。


――剣技レベル1。


その記憶が、

よみがえる。


だが、

今は違う。


テッドは、

踏み込む。


剣を、

突き出す。


魔王の胸。


だが、

弾かれる。


魔王の拳が、

腹に入る。


吹き飛ぶ。


壁に、

叩きつけられる。


視界が、

暗くなる。


それでも、

立ち上がる。


「まだだ」


剣が、

温かく光った。


頭の中に、

文字が浮かぶ。


――剣技レベルMAX


力が、

体中に満ちる。


魔王が、

眉をひそめる。


テッドは、

走る。


世界が、

遅くなる。


魔王の剣。


避ける。


踏み込む。


一閃。


魔王の腕が、

飛ぶ。


魔王が、

叫ぶ。


テッドは、

止まらない。


二閃。


胴を斬る。


三閃。


首を斬る。


魔王の体が、

崩れ落ちた。


静寂。


テッドは、

膝をつく。


剣を、

支えにする。


終わった。


長い戦いが。


しばらくして、

仲間たちが

駆け込んできた。


「勝ったのか……?」


テッドは、

うなずく。


城の外。


朝日が、

昇っていた。


テッドは、

空を見る。


村を出た、

あの日。


剣を拾った、

あの日。


すべてが、

ここにつながっている。


テッドは、

剣を握る。


そして、

静かに言った。


「俺は、

剣士だ」


――完――


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