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雨が降る学校の帰り道、雪宮智徳(ゆきみやとものり)は傘を差して家に帰ろうとしたが、バスの待機所に少女が立っているのを雪宮は見た。

少女は雨が止むのを待っている動作をしており、髪や制服もよく濡れていた。

しかし、雪宮と少女が着ていた制服は違っており他校の生徒であり関わるのを辞めようとバスの待機所を通り過ぎようとしたが、少女から小さなくしゃみが雨音で聞きづらかったが、近くで微かに聞こえた。

雪宮は1度立ち止まり、バスの待機所に振り返り、少女に話しかけた。

「傘、貸しましょうか?」

心配した雪宮は少女に自分が持っている傘とは別にいつも鞄の中に常備している折りたたみ傘をもう片方の手で渡そうとした。

「大丈夫です。雨が止むかバスで家に帰るので」

少女は雪宮の傘を断り、突き放そうとした。

(それはそうだよな。見ず知らずの人で学校も違う男子に言われたら断りたくなるよな)

少女が着ている制服は雪宮が今着ている制服のブレザーの色が違っており、他校同士の異性であるため少女が警戒するのも無理はない。

しかし、このままでいいのかと思う雪宮はバスの椅子に折りたたみ傘を置いた。

「……何してるのですか」

「なるべく速く帰れるようにと思い、置いておきます。別にこのまま放置してもいいですし、使っていても構いません。例え使っていても返さなくていいです。では」

雪宮はバスの待機所から出て、また帰り道の方へ歩い始める。

少女が何か言っていたが、雨の音であまり聞こえなかったのと掛けられても無視しようと決意した雪宮だったため、声に耳を傾けずこの日は真っすぐ家に帰った。

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