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10話 地下生活

旧友の智子の家に居候し、群馬の温泉で仕事を見つけたユリカ。次第に潜伏から自分のやりたいことをみつけて、働くようになる。平穏な日々を送るも思いもよらぬニュースが飛び込んでくる。

ユリカは温泉地の旅館で寮に暮らしながら、配膳の仕事をしていた。


事件は新聞記事になったとはいえ、陸上の世界大会で決勝に残ったり、メダルを獲るほどの活躍もしていないし、記事はテキストのみで顔写真も出回らなかったのが幸いしたのか、東日本の群馬県の郊外で、身元がバレることはなかった。


最初は生きていくために仕事は選べなかったが、元々陸上選手であり、体育教師だったことから、突然旅館の配膳をとなって、2年が過ぎたが、何か別の仕事をやってみたいと思うようになった。


ある時、たまたま同僚の兄弟が高崎で整体の仕事をやっていると聞いて、整体師の資格を取りたいと思うようになり、働きながら、夜間学校に通い、それから2年後に資格を取り、退職し、高崎で仕事をすることになった。


それから5年が経ち、稼いだ金は最低限しか使わず、ほとんど貯金していたこともあり、前橋市内の北部で開業することができた。


それから現在に至っているのである。


群馬では、かつて陸上選手であり、島の教師でもあったユリカの姿を知るものは一人もおらず、スキャンダルもSNSが身近になった時代より一昔前だったため、蒸し返す輩もおらず、潜伏のようにひっそりと平穏に暮らすことができていた。


とにかく必死に働き、必死に学んだユリカはほとんど遊ぶこともなく、恋愛も特にしなかったため、独立して稼げるようになっていたが、結果として50代になっても独身のままだった。


そしてかつてユリカが出場した世界陸上東京大会が、まさかまさかのふたたび開催をすることになったのだった。



つづく



登場人物 

ユリカ 群馬県でサロン経営するセラピスト 高校時代世界陸上に出場

智子 埼玉県でサロン経営 ユリカの友人 陸上教室も行う





2度目の世界選手権開催を控えた東京だが、前回出場し今も陸上教室をしている智子が関わることになり、ユリカにも相談がくるが、果たして。

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