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悪の博士、年賀状を書き終わった瞬間に狙撃されてしまう

掲載日:2025/12/12

 12月のある日。とある研究所で、老年の博士が高笑いしていた。


「フハハハ……ついに完成したぞ! 長年研究した薬がなぁ!」


 助手の青年が横で笑みを浮かべる。


「おめでとうございます、博士」


「うむ、世界中の悪人が、喜んでこの薬を買うことだろう。そうすればこの世は悪人の天下となる」


「その通りですね」


「……というわけで、知り合いの悪人どもに年賀状でも書くか」


「悪の博士でも年賀状って書くんですね……」


「こういう細かいことを大事にしなければ、悪人連中からは信用されんからな」


 さっそく博士は机に向かって年賀状を書き始める。


「えーと、“きんがしんねん”ってどう書くんだっけ?」


「自分で調べて下さいよ」


 こんなやり取りをしつつ、博士はどうにか年賀状を書き終えた。

 その時だった。


 パァン!


 乾いた音と共に、博士の額に穴があいた。

 博士はそのまま背中から地面に倒れてしまった。

 窓にも穴があいており、外からの狙撃だった。

 助手は叫ぶ。


「は、博士ぇぇぇ!!!」


 慌てて博士の容態を確認するが――


「ダメだ……死んでる! くそっ、なんてことだ……!」


 博士も悪人だけあって、数多くの恨みを買っている。

 こういう最期を迎えるのは、自業自得でもあった。

 ところが、博士の体がピクリと動き出す。


「……え!?」


 博士の額にあいた穴もみるみる塞がっていく。

 助手はその光景に驚くばかり。

 やがて、博士はしっかりと目を開き、起き上がった。


「フハハハ、成功だ! ワシは死んだが、見事によみがえった!」


「博士……まさかあの薬を!?」


「ああ、すでに飲んでいた。たとえ死んでもこうして元通りになり動ける薬をな」


「自らを実験台にするとは、さすが博士!」


「しかも、心臓はもう止まっており、ワシはすでに死んでいる。つまり、もう誰もワシを殺すことはできん! この薬を世界中の悪人が飲んだとすれば、どんな世の中になるか……笑いが止まらんわい!」


「ええ、楽しみですね!」


「ワシを撃った者は後で必ず見つけ出し、報復してやる」


「研究所のセキュリティも高めておきましょう」


 恐るべき薬を完成し、死すらも恐れることはなくなった博士。もはや世界は悪に屈してしまうのか。

 しかし、博士は突如顔をひきつらせる。


「まずいことになった……!」


「どうされました!?」


 やはり薬に問題があったのかと、助手が尋ねる。

 すると博士は――


「ワシは死んでしまったから、こういう時は年賀状より喪中ハガキを送った方がよいのだろうか……」






お読み下さいましてありがとうございました。

なろうラジオ大賞参加作品となります。

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― 新着の感想 ―
世界最初のゾンビ爆誕 助手は世話係&ネクロマンサー
wwwwwwwwwwwwwwww
無駄に真面目に考えてみる。 心停止は人の死たるや否か。 とりあえずそれは置いといて、死亡とするならどうなるか。 そう、相続が始まってしまうのだ。 頑張って作った秘密基地も、世界を震撼させる秘密兵器も、…
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