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ボンノーさまがいく ~異世界で46cm三連砲を撃つ物語~  作者: wok
第4章 扶桑の厄災

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第61話 無双

武蔵は魔島へ二十海里のところまで迫っていた。

海は静かだった。

だが、空気が重い。

前方に進むにつれ、その重さは増していく。

武蔵第一艦橋——

「なんだか、いやな雰囲気ね」

御坂が眉をひそめた。

メインパネルに映る魔島。

黒い霧のようなものが、島全体を覆っている。

「艦長、これは瘴気だよ」

ムサシヒメが説明する。

「魔の者には有益でも、人には有害なものなんだ」

「僕の神力を少し付与しておくね」

ムサシヒメが目を閉じる。

淡い光が、御坂を包み込んだ。

「これで大丈夫」

「ありがとう、ムサシヒメ」

御坂は頷き、前を向いた。

「micot、魔島付近の敵戦力を分析」

『了解しました。分析を開始します』

静かな電子音声が応答する。

数秒後——

『分析完了』

『上空に大型飛行物体24、小型飛行物体11214』

『海中に大型物体34』

『魔島内にも多数の反応あり』

『メインパネルに分析映像を投影します』

映像が展開された。

御坂は目を見開いた。

「これは——ドラゴン? ワイバーン?」

巨大な翼竜が空を舞っている。

その下には、無数のワイバーンの群れ。

「そして——漆黒の海蛇……」

海中を泳ぐ、巨大な蛇の影が映し出されていた。

御坂は一瞬、目を細めた。

(私がハマっているネットゲ——)

咳払いをする。

「識別のため、大型飛行物体をドラゴン、小型をワイバーン、海中の大型物体を黒蛇と呼称します」

『了解です。識別完了。メインパネルに反映します』

micotが即座に対応する。

「艦長、どうするの?」

ムサシヒメが問う。

目は真剣だ。

御坂はメインパネルを見つめた。

敵の布陣。数。配置。

すべてを把握する。

「すでに主砲の射程内にあります」

冷静に告げる。

「先制攻撃をかけます」

「主砲に三式弾〈飛龍〉を装填」

「魔島上空の敵を砲撃しなさい」

「了解!」

ムサシヒメの目が鋭く光った。

「みこっち、データ早く早く!」

『主砲へのデータ送信完了』

「姉ちゃんの敵はすべて——」

ムサシヒメが拳を握る。

「僕がやっつけてやる!!!」


◆ ◆ ◆


46センチ三連装電磁砲が、青白くきらめいた。

電磁場が形成されていく。

光が——増幅する。

ジジジジジジィィィィーーー

高周波の唸り。

そして——

ビギュゥゥゥゥーーーーンンンン!!!

轟音。

九条の光が放たれた。

数秒後——

上空で、三つの巨大な火球が膨れ上がった。

空が、火の海と化す。

『ワイバーン5512匹撃墜』

micotが報告する。

『ドラゴンは無傷です』

「無傷……?」

御坂が眉をひそめた。

『ドラゴン周囲に気流が発生している模様です』

『気流が導炎霧を遮断しています』

「気流で防いでいるのか……」

御坂は数秒、思考した。

三式弾の導炎霧は、空気中で燃焼する。

だが、気流で遮断されれば——効果は及ばない。

『魔島の敵集団、本艦に向かって接近中です』

micotの警告。

「かまわない」

御坂は即断した。

「第二射、撃て」

「了解!」

ビギュゥゥゥゥーーーーンンンン!!!

再び、空に地獄が咲く。

『ワイバーン4874匹撃墜。ドラゴンは依然無傷です』

残ったワイバーンは——千匹弱。

だがドラゴンは、24体とも健在だった。

御坂はメインパネルを凝視する。

(三式弾では、ドラゴンは倒せない)

(ならば——)

「主砲に令七式徹甲弾を装填」

命令が飛ぶ。

「ドラゴンも生物であるならば心臓があるはず」

「micot、心臓のある部分を分析して」

『了解です』

数秒の沈黙。

『分析完了。心臓の部分を標的に登録します』

「各主砲で心臓の部分を狙い撃ちなさい」

「了解! みこっち!」

ムサシヒメが呼応する。

『主砲へのデータ送信完了』

「よし——いくよ!」

ビギュゥゥゥゥーーーーンンンン!!!

令七式徹甲弾が、狂いなくドラゴンの心臓めがけて超音速で進んでいく。

気流の障壁。

だが——超音速の砲弾は、それを貫いた。

ドォン!

砲弾がドラゴンの心臓を貫く。

今まで平然としていたドラゴンが——何が起こったか分からぬうちに絶命していく。

巨体が傾き、海へと墜落した。

『ドラゴン3体、撃墜』

「すべてのドラゴンを撃墜するまで砲撃を続けて」

御坂の指示。

「了解だよ、艦長!」

ムサシヒメの声が弾む。


◆ ◆ ◆


次々と心臓を撃ち抜かれ、墜落していくドラゴンたち。

空の王者が、なすすべもなく海へと落ちていく。

その時——

『警告。水中より黒蛇接近してきます』

micotの声が緊張を帯びた。

『距離10000』

メインパネルに、海中の影が映し出された。

34体の巨大な蛇が、武蔵に向かって泳いでくる。

「電磁酸素魚雷〈蒼龍〉、発射準備」

御坂が即座に対応する。

「魚雷だね、了解!」

ムサシヒメが頷く。

『全目標のデータを艦首魚雷装置に送信完了』

「全目標に射出しなさい」

「魚雷連続射出開始!」

シューーーン、シューーン、シューーン

艦首より電磁酸素魚雷が次々と射出されていった。

青白い光の尾を引いて、海中へと消えていく。

数秒後——

ドゴォォォン! ドゴォォォン! ドゴォォォン!

水中ですさまじい爆音が響いた。

海面が隆起し、水柱が立ち上る。

黒蛇が次々と爆散していった。

『黒蛇、全34体撃破確認』

その報告と同時——

「艦長! ドラゴンが!」

ムサシヒメが叫んだ。

生き残ったドラゴン数匹が、武蔵に向かって急降下してくる。

口から——炎が溢れ出していた。

ブレス攻撃。

御坂は即断する。

「ムサシヒメ、電磁バリア展開」

「了解!」

ムサシヒメの意識が艦と繋がった。

武蔵の艦体が、半透明の光に包まれていく。

電磁バリアが展開された。

ゴオォォォッ!

ドラゴンのブレスが、武蔵に降り注いだ。

灼熱の炎。

すべてを焼き尽くす業火。

だが——

電磁バリアに阻まれ、炎は武蔵に届かなかった。

まるで見えない壁にぶつかるように、炎が拡散していく。

「主砲、撃て」

御坂の命令は、冷静だった。

ビギュゥゥゥゥーーーーンンンン!!!

生き残ったドラゴンが、次々と撃ち落とされていく。

心臓を貫かれ、絶命し、海へと墜ちていく。

『残存ドラゴン、全機撃墜』

残ったワイバーンも、突撃してきた。

だが——

ダダダダダッ! ダダダダダッ!

武蔵に搭載された電磁副砲と電磁CIWSが火を噴いた。

青白い光が次々と放たれ、ワイバーンを撃ち落としていく。

一匹、また一匹。

瞬く間に、空が静かになった。

『敵の機動戦力はすべて排除しました』

micotより報告が上がる。

「やったね!」

ムサシヒメが拳を振り上げた。

「全部倒せたよ!」

御坂は、小さく息をついた。

「撃ち方止め」

「針路004、微速前進」

武蔵がゆっくりと動き始める。

魔島へ向かって。

「micot、魔島内を分析」

『了解しました。分析を開始します』

数分後——

『分析完了』

『魔島内に多数の反応あり』

『メインパネルに投影します』

映像が展開された。

御坂は眉をひそめた。

「これは……」

映し出されたのは——蛇の顔を持つ化物の群れ。

そして、巨大なゴーレム。

さらに——白い骨格が動いている。

「蛇人間とゴーレム。そして、スケルトン……」

御坂が呟いた。

「アンデッドまで使役しているのか」

魔島は、まさに魔物の巣窟だった。

その時——

『警告!』

micotの声が、かつてないほど緊迫していた。

『魔島の地中深くに巨大な反応があります!』

メインパネルが切り替わる。

魔島の断面図が映し出された。

地下深く——

何かが、蠢いている。

巨大な、何かが。

「これは……」

御坂が目を見開いた。


——続く

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