表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボンノーさまがいく ~異世界で46cm三連砲を撃つ物語~  作者: wok
第3章 王都決戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/69

第29話 拙僧、黄金聖水の詐欺にて六金貨の勉強代を払う

翌朝――

宿屋『銀狼亭』の中庭に馬車が用意されていた。朝露に濡れた車輪が、陽光を受けてきらめいている。

「では、王都セレスティアへ向けて出立じゃ」

ボンノーが錫杖を地面に軽く突く。澄んだ音が朝の静寂を破り、空気を震わせた。

(そういえば、日付の確認を忘れておったな)

輪廻転生してからというもの、日々の冒険に追われ、暦を意識することなどなかった。

宿の主人に尋ねると――

「今日は八月二十七日じゃよ」

「ほう、八月二十七日……」

ボンノーは携えの小冊子に、日付だけを静かに記した。

◆ ◆ ◆

馬車は聖河アレムに沿って北上していく。

川面が朝日を受けて黄金色に輝いていた。まるで溶けた金が悠々と流れているかのような、神々しいまでの美しさだ。水しぶきが跳ねるたび、無数の宝石が散らばるように光る。

「綺麗ですね……」

シノが窓から顔を出し、うっとりと川を眺めていた。風が彼女の髪を優しく撫でていく。

「本当に黄金色なのさ」

ナターシャも感心したように呟く。

「でも、なんか重い空気だよね。みんな下向いてるし」

ヴィヴィが首をすくめながら、街道を行く人々を指差した。

確かに、往来の人々の表情は暗い。戒厳令の影響だろう、誰もが重い足取りで、まるで見えない鎖に繋がれているかのように俯いて歩いている。笑い声一つ聞こえない異様な静けさが、街道を支配していた。

◆ ◆ ◆

昼過ぎ――

一行は水路の街アウレリアに到着した。石造りの門は荘厳にそびえている。

「検問があるぞ。気を引き締めろ」

グレアが兜の奥から低く呟いた。

街の入り口には、神殿騎士が五人ほど立っている。通行人を一人一人、執拗に調べているようだった。

「通行証を見せろ」

神殿騎士の一人が、威圧的に馬車に近づいてきた。

ボンノーは落ち着いた動作で、懐からヨコマール枢機卿の偽造通行証を取り出した。これは以前、金貨一枚で手に入れた偽物だ。そして冒険者ギルドの銀等級プレートも併せて提示する

神殿騎士は書類を疑い深く見つめた後、手を振った。

「……通れ」

◆ ◆ ◆

アウレリアの街は、リントベルクとはまた違った趣があった

街の中を縦横に水路が走り、小舟が優雅に行き交っている。石造りの建物が水面に複雑な影を落とし、まるで水彩画の中に迷い込んだような幻想的な風景だ。橋の下では、魚が跳ね、波紋が広がっていく。

「水の街って感じだね〜 舟とか乗ってみたい!」

ヴィヴィが興奮したように周りを見回し、目を輝かせる。

「建築様式も実に洗練されておりますな。アーチ型の橋といい、水路沿いの回廊といい、機能美と装飾美が見事に融合しておる」

ボンノーが感心したように、建物の細部まで観察していた。

「今日はここで宿を取りましょう」

ボンノーがふと提案した。

「日はまだ高いが……もう少し進めるんじゃないか?」

グレアが眉をひそめる。

ボンノーが静かに首を振った。

「野宿よりは宿屋の方が安全でしょう。戒厳令下での夜営はなるべく避けたいのです」

「賛成〜! 野宿よりベッドだよね!」

ヴィヴィが真っ先に手を挙げた。

結局、一行は水路沿いの宿屋『水鏡楼』に投宿することにした。三階建ての瀟洒しょうしゃな建物で、窓からは水路が一望できる。

宿に荷物を置くと、それぞれが思い思いの行動を始めた。

「俺とヴィヴィは武具の手入れに行ってくる」

グレアが愛剣を肩に担いだ。

「おー、いい研ぎ屋さん探そう! この前の戦いで盾もボコボコだし」

ヴィヴィも大盾を背負い、グレアの後を追う。

「あたいは一杯引っ掛けてくるのさ。この街の酒がどんなものか確かめないとね」

ナターシャは早速、鼻歌を歌いながら酒場へと消えていった

残されたのは、ボンノーとシノの二人。急に静かになった部屋で、微妙な空気が流れる。

◆ ◆ ◆

「ボンノーさま、お買い物に行きませんか?」

シノが頬を染めながら、恥ずかしそうに提案した。指先で髪を弄りながら、上目遣いでボンノーを見つめる。

「旅の必需品を補充しておきたいですし……それに、街の様子も見ておきたくて」

「うむ、それは良い考えですな。備えあれば憂いなし、と申します」

こうして、二人きりの買い物が始まった。

シノはとても嬉しそうだった。ボンノーと二人きりで街を歩けるなんて、まるで恋人同士のデートのようで――

(い、いけません……これは買い物です。……でも、今だけは――ボンノーさまは私だけのもの、です)

頬を真っ赤に染めながら、必死に平静を装うシノ。時折、ボンノーの横顔を盗み見ては、慌てて視線を逸らす。

一方のボンノーは、そんなシノの様子に全く気づいていない

「まずは保存食などを買い足しておきましょう。腹が減っては戦はできぬ、と申します――」

◆ ◆ ◆

買い物を終え、市場通りを歩いていると、どこからともなく甘い香りが漂ってきた。焼きたてのバターに、花の蜜めいた甘さがふわりと重なり、鼻腔をくすぐる。

「あ、ケーキ屋さん! 可愛い!」

シノの目が一瞬で輝いた。まるで子供のような無邪気な表情だ。

看板には『雫と泡』と優雅な文字で書かれている。

「ボンノーさま、少し寄っていきませんか? 疲れも取れますし」

シノが上目遣いでボンノーを見つめる。

「ふむ、甘味で英気を養うのも一興でございましょう」

ボンノーはあっさりと頷いた。

――菓子工房『雫と泡』

小さな扉を押すと、鈴がころんと涼やかな音を立てる。

しずく型のランプが天井で揺れ、白い壁に幻想的な水紋が踊った。

「わあ……素敵……」

シノの瞳が宝石のように輝く。

ショーケースには、艶やかなケーキが美しく並ぶ。どれも魅惑的でおいしそうだ。

『雫シフォン・柑橘』、『泡雪ムース・はちみつ』、『水鏡タルト・ぶどう』。

名前からして瑞々しく、見ているだけで幸せな気持ちになる

「シノ殿はどれに?」

「これと……これも。あ、でも食べきれないかな」

迷う指先がくるくると踊り、店員は白いトングを構えたまま、楽しそうに微笑みながら待っていた。

結局、二人用の木皿に三品ものせてもらう。

ボンノーは温かい穀物茶、シノは微炭酸のレモネードを頼んだ。

窓ぎわの丸卓に腰を下ろす。

川面の反射がゆらぎ、テーブルの上のガラス玉に小さな虹が宿る。まるで夢の中のような、幻想的な時間だ。

「いただきます!」

シノが『泡雪ムース』をひと口含む。瞬間、頬がふわっとほどけ、至福の表情を浮かべた。

「しあわせです……」

その表情があまりにも幸せそうで、ボンノーも思わず頬を緩める。

拙僧も『雫シフォン』を味わう。

舌に乗せた瞬間に雪のように消える軽さ。遅れて柑橘の爽やかな香りが鼻を抜け、胸の奥まで涼しくなる。

「シノ殿」

甘さが落ち着いたところで、ボンノーは真面目な表情で問いを向けた。

「レファリア教の教義を、詳しく教えていただけますかな」

シノは姿勢を正し、うれしそうに胸に手を当てる。

「はい、よろこんで!」

「まず――根本命題です」

シノは指を一本立てた。

「『命は連なりであり、己は他者のためにある』。難しく聞こえますが、簡単に言えば、"ひとは誰かのために生き、支え合う"ということです」

「ふむ、なるほど」

ボンノーは深くうなずき、穀物茶をひと口含む。その哲学的な内容に、興味を惹かれた。

「次に、三つの誓いです」

二本、三本と指が増えていく。

「慈愛――弱きを助け、決して傷つけぬこと。節度――力も財も独り占めせず、余剰は必ず分かち合うこと。奉仕――日々ひとつ、誰かの役に立つ行いをすること」

言い切ると、シノは得意げに微笑んだ。

レモネードの泡が、こつこつと小さく弾ける音が、静かな店内に響く。

ボンノーは窓外の川を見つめた。

連なって流れる光の帯。ひとしずくは小さくとも、集えば大河となる。

(己を見つめ、他者へ注ぐ。仏教で申せば利他行に近い。いや、レファリア教の言う他者利は、"先に他者を立てる心"をもう一歩、積極的に前へ押し出しておるのう)

胸の内でそっと整理する。

(拙僧の歩みも、結局はそこへ向かっておる。人は独りでは生きられぬ)

「ボンノーさま? どうかされました?」

シノが心配そうにのぞき込む。

「お口に、クリームが……ついてます」

シノはハンカチを取り出し、恥ずかしそうに視線をそらしながら、そっとボンノーの口元をぬぐった。その手つきは、まるで愛おしいものに触れるように優しい。

「……失礼しました。つい……」

「お恥ずかしい。甘味に心を奪われました」

「ふふっ、かわ――い、いえ、尊いです。ボンノーさまの無邪気な一面が見れて」

シノは慌てて視線を落とし、フォークでタルトを小さく切った。耳まで真っ赤になっている。

(ボンノーさまの無防備な姿……可愛い……守ってあげたい……)

内心でにやにやが止まらないシノだった。

◆ ◆ ◆

ケーキ店で和やかな時間を過ごした後、二人は再び街を歩き始めた。

シノは歩幅を半歩だけ縮め、そっとボンノーの袖口をつまむ。まるで恋人のような距離感だった。

「聖河アレムは本当に美しいですな。黄金に輝く川など、扶桑でも見たことがない」

ボンノーが川を眺めながら、感慨深げに言った。

「はい」

シノが優しく微笑む。

「第一柱――生命の女神レファリア様。彼女は虚無の海に命の雫を落とし、大地を作り、草木を芽吹かせ、川を流しました」

まるで物語を語るように、シノは詩的に続けた。

「その水脈は今日も『聖河アレム』として絶えず流れ続けているんです。命の源流として」

「そして、遥か昔、この国が魔王軍に攻められた時――」

シノの声が少し真剣になり、語り部のような口調になる。

「聖河アレムが血で真っ赤に染まりかけましたが、三柱の加護で突如黄金色に輝き、傷や呪いを一瞬で癒したという伝説があります」

「ほう……」

「このことは『黄金聖水の奇跡』と言われ、今も語り継がれています」

シノは誇らしげに語った。

ボンノーは深く頷きながら、この世界の歴史の深さに思いを馳せた。

◆ ◆ ◆

しばらく美しい街並みを眺めながら歩いていると――

広場の片隅で、誠実そうな神官風の男が露店を出していた。白いローブが夕日に映えている。

「さあさあ、本日限り! 黄金聖水の特別販売でございます!」

男の前には、黄金色に輝く液体が入ったガラス瓶が整然と並べられていた。

夕日を受けて、確かに神々しく輝いている。

「黄金聖水……?」

シノが興味深そうに、目を輝かせながら近づいた。

「お嬢さん、よくぞお気づきになりました」

神官風の男が丁寧に、深々と頭を下げる。

「これは『聖河アレム』の源泉で採取した、正真正銘の黄金聖水でございます」

男は瓶を一本手に取り、光に透かして見せた。

「魔力を即座に、そして著しく回復できる奇跡の水。戦闘で疲弊した魔法使いには必需品でございましょう。まさに神の恵みです」

「本当に効くのですか?」

ボンノーがいぶかしげに尋ねる。

「もちろんでございます! ちょうどここに試飲用が――」

小さなコップのあたりに、さわやかな柑橘の香りが漂った。

男が小さなコップを示そうとした、その時。

「おっ、ラッキー!」

黒ローブを着た冒険者風の魔法使いが、突然息を切らして現れた。

「へとへとなんだ、魔力が空っぽで……ちょうど良かった」

「あ、お客様! それは試飲用でして――」

男が慌てて手を伸ばすが、冒険者は既にコップを手に取っていた。

「えっ、飲んじゃダメなの?」

「い、いえ! その……どうぞ」

男は苦笑いを浮かべながら、仕方なさそうに頷いた。

冒険者は試飲用のコップを一気に飲み干した。

「おお、これは……!」

冒険者の顔がみるみる輝く。

「体が軽くなった! 魔力が戻ってきた感じがする!」

そう言い残して、冒険者は感謝しながら足早に去っていった

「申し訳ございません」

神官風の男が困ったように頭を下げる。本当に申し訳なさそうだ。

「試飲用がなくなってしまいました。ですが――」

男は自信たっぷりに胸を張った。

「万が一、効果にご満足いただけなかった場合は、代金は全額お返しし、さらに迷惑料として銀貨一枚をお渡しいたします」

「返金保証付きなのですね。それなら安心」

シノが感心したように言った。

「お値段は?」

「金貨一枚でございます。破格のお値段です」

ボンノーは躊躇ちゅうちょした。金貨一枚は相当な大金だ。宿代の何日分にもなる。

しかし――

(魔力の即座回復……これがあれば、戦闘で大いに役立つ。仲間の命を救うかもしれぬ)

シノも同じことを考えていたようだ。目を輝かせている。

「ボンノーさま、絶対に買うべきです!」

シノが強く推す。

「これがあれば、いざという時に仲間を守れます!」

結局、ボンノーは二本、シノも二本購入することにした。

「あ、ナターシャさんの分も買っておきましょう。きっと喜びます」

シノの提案で、さらに二本追加。

合計六本、金貨六枚という大金を支払った。

「ありがとうございます。良いお買い物をなさいました」

神官風の男が深々と頭を下げる。

「きっとご満足いただけるはずです。神の加護がありますように」

手にした黄金聖水の瓶は、夕焼けを受け、いっそう濃い黄金色にきらめいていた。

二人は大切そうに瓶を抱えて、宿へと戻った。

◆ ◆ ◆

夜、宿屋『水鏡楼』――

女子部屋に全員が集まっていた。

「見てください! すごいものを買ってきました!」

シノが誇らしげに黄金聖水の瓶を高々と掲げる。

「これで魔力不足も解決です!」

「黄金聖水?」

ナターシャは口の端だけで笑った。

「へぇ、本当に黄金色だね。綺麗」

ヴィヴィも感心している。瓶の中で、光がとろりと魅惑的に揺れた。

「これで魔力疲労も一気に解決できるはずじゃ! 戦闘が楽になる!」

ボンノーが自信満々に説明する。

「聖河アレムの源泉で採取された、正真正銘の――」

「で、いくらで買ったの?」

ヴィヴィが身を乗り出して尋ねた。

「金貨六枚です」

シノが胸を張って答える。

瞬間――部屋の空気が凍りついた。

「ろ、六枚!? 六金貨!?」

ヴィヴィが目を丸くした。

「六金貨……当面の路銀が半分か。効くなら安いが」

グレアはあっさりと頷いた。効き目が先、値段は後回し――そんな顔だ。

ナターシャは頭を抱え、天を仰いだ。

「お坊様、シノちゃん」

ナターシャがゆっくりと、諭すような口調で口を開く。

「ひとつ、開けてみて」

「は、はい……」

嫌な予感を感じながら、ボンノーは瓶の栓を開けた。

そして、恐る恐る匂いを嗅いだ瞬間――

「うっ!」

ボンノーは反射的に顔をそむけた。

なんとも言えない独特の臭気が鼻を突く。どこかで嗅いだことのあるような、しかし口に出すのも(はばか)られる類の……。

「ぁ……」

シノが顔面蒼白になり、唖然とする。

騙された。完全に、徹底的に騙された。

「うっ」

グレアが鼻をつまみ、後ずさる。

「くさいよ〜 なにこれ〜」

ヴィヴィも顔をしかめた。

ナターシャは無言で蓋を閉め、前髪を耳にかけて視線を前に戻した。

一呼吸置いて――ため息と共に言った。

「こんなのでよければ、あたいがいくらでも作ってあげるのにさ」

瓶の口を爪でコツンと弾き、いたずらっぽく、そして呆れたように目を細めた。

◆ ◆ ◆

「御本尊様、シノちゃん」

ヴィヴィが腕を組んで立ち上がった。

「そこに正座してください」

有無を言わせぬ迫力に、二人は素直に正座した。

「はい……」

「ごめんなさい……」

ヴィヴィの説教タイムが始まった。彼女の声が、部屋中に響き渡る。

「いい? 世の中にはね、うまい話なんて絶対にないの! 分かる?」

「はい……」

「特に露店の怪しい商品なんて、十中八九詐欺なの!」

「ごめんなさい……」

「金貨六枚あったら、どれだけ美味しいもの食べられたと思ってるの!? 高級宿に何日泊まれたと思ってるの!?」

ヴィヴィの説教は延々と三十分に及んだ。

ボンノーとシノは、ひたすら頭を下げ続けた。

「申し訳ございません……」

「ごめんなさい……」

グレアは複雑な表情で見守っていた。腕を組み、壁に寄りかかっている。

(仲間のためを思えば……私も同じことをしていたかもしれない)

グレアは、少し申し訳なさそうに二人を見つめる。

一方、ナターシャは苦笑しながら腕を組んでいた。

(……ま、勉強代ってやつなのさ。世の中、甘くない。ふたりにはいい経験だよ)

◆ ◆ ◆

その頃、王都セレスティア――

レファリア教団大聖堂の鐘楼から、重厚な鐘の音が響いた。

ゴーン……

一度だけ打ち鳴らされた鐘。その音は、夜の静寂を切り裂くように響き渡る。

それは、ヨコマール枢機卿が密かに仕組んだ「十四の晩鐘」の最初の一打だった。

街の人々は、その音を聞いて安堵の息をついた。

「戒厳令解除まで、あと十三日か。もうすぐ平穏が戻る」

誰もが、そう信じていた。

まさかそれが、滅亡への秒読みだとは知らずに――

◆ ◆ ◆

窓の外では、夜の帳が完全に下りていた。星が冷たく瞬いている。

ボンノーは正座したまま、深く反省していた。

(金貨六枚……高い勉強代じゃった……)

シノも隣で小さくなっている。肩を落とし、しょんぼりしていた。

(でも、ボンノーさまとふたりきりでデートできたから……

密かにそう思い、心の中で自分を慰めるシノだった。

明日、一行は再び王都へ向けて出発する。

時は、確実に、無情に刻まれていく――


――セレスティア滅亡まで、あと十三日――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ