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宝石少女は夢を見る  作者: かまぼこ
第一章
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Ⅱ.「桃色少女」

 目的地に向ってしばらく歩いていると、後ろから聞き覚えのある声がした。


「おはよ~今宮ちゃ~んっ!」少女の雰囲気がまだ抜けきっていない桃色髪の女の子が大きな声で私に話しかける。


 この桃色の髪の女の子は春山晴子(はるやまはれこ)さん。


 私達は今年の春に私立玲瓏(れいろう)女学園に入学したばかりの19歳。入学式や諸々の準備を終えて今日から新学期。


 晴子さんとは入学式の時に出会って、同じ公立高校出身という事で仲良くなった。その後も何回か会ったりしたけど、一緒に登校するのは今日が初めて。


「ふふっ、一緒の車両に乗ってたのに気づかないなんて、案外抜けてるんだねっ」


 私としたことが、小説と景色に夢中になってたのね…迂闊にも気付けなかった。


「あれです、小説見てたんですよ。決して抜けてなんかいませんからっ!」


 この話を続けられるのは少し恥ずかしい、なので私はさっさと他愛もない話題に切り替える事にした。


「あっ、そういえば今朝のニュース見ました?」


「見た、外国は凄い事なってるねぇ…」


 ここ最近は色々な国で内戦が起きたり、軍事的な衝突が多くなっている。最近はテレビをつける度にこんなニュースばかりなので、もう嫌になりそう。


「最近色々やばいですものね…いつも世界大戦寸前とかニュースで言ってますし、都会の方だとデモ行進とかしてるみたいですし…」


「よねぇ…それに比べてやっぱり田舎は平和で良いよ、私が元々住んでいた所は常にどこかでサイレンなったり、爆発が起きたりしてたもん」


 都会というのは物騒ね…この娘、この学校に通う為にわざわざ都会から母方の実家に引っ越して来たらしい。


「そんなの嫌ねぇ、やっぱり平和が一番よ」


 都会や海外で何が起こっていようが、郊外や田舎では普段と同じ様に時間が流れている。都会なんかより田舎の方が全然良いなと、私は改めて思う。

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