表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/45

44 魔女さま、日本の魔女を見つける(?)

 11月になったばかりのある日のことです。

 小田家に宅配便が届きました。

 小田は高校に行っているし、ユーシャもバイト中なので不在。

 唯一家にいたマージョが受け取ることになりました。


 差出人の名前は小田くに子。小田の姉がそんな名前だと言っていたように記憶していました。

 箱には「弟へ指令。届いたらすぐに私の部屋のクローゼットに収納しておくこと」と書いてあります。


「まあ! ミッションですのね。すぐにと書かれておりますし、いつもお世話になっているお礼にわたくしが代わりにしまっておきましょう」


 マージョは指令通りに小田姉の部屋に箱を持っていき、封を開きました。

 すると中から出てきたのは魔女服でした。テレビで見ていた魔女っ子のものです。

 ピンクと白のひらひらしたもの、ステッキまできちんとそろっています。


「まああああ! なんてことかしら。小田さんのお姉様は魔女だったのですね! ご近所のおばさまは「この世界に魔女なんていないのよ」っておっしゃってましたけれど、そうか、そうなのですね。わたくしがこうしてひっそりと生きているように、小田さんのお姉様もきっと打倒魔王のために人目を忍んで生きているのですわ!」


 自分の仲間を見つけたことで、マージョは心底感動しました。きっと弟の小田も言葉にしないだけでひそかに魔王と戦うために頑張っている戦士なのです。魔女っ子アニメでもそうでした。


 小田が帰ってきてからマージョは小田にかけより、力説します。


「さきほどお姉様から魔女の衣装が届きましてよ。ああ、やはりこの世界にも魔女はいたのですね! わたくし、わたくし、感動で涙が止まりません」

「……なんのことです?」


 マージョに言われて小田は首をかしげつつ、姉の部屋に入り、届いた者を見て納得しました。

 小田の姉はいわゆるコスプレイヤーで、一人暮らしのアパートに置ききれなくなるとこうして衣装を送ってくるのです。近年のお気に入りはキュアシリーズ。

 クローゼットは歴代キュアの服でパンパンなのです。


 鼻息を荒くしてはしゃぐマージョに「これはただの仮装。姉さんがあのアニメの服を作っただけです。うちの家系に魔女なんていません」と真実を告げます。


 あからさまに意気消沈して膝をついてしまったマージョ。


「……なんかごめんね?」

「いいえ、いいのです。いつかきっと本当の魔女仲間に出会えるのですわ!」




 後日。ただの衣装と聞きつつも、こっそりステッキを借りて玄関先で振るマージョでした。


「悪い魔物さん、お覚悟ですわ!」

小田(ご近所さんの目が気になるから、できればやめてほしいな……)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=151707040&size=300


新連載はじめました。
シスター・キントレ!
design.png
― 新着の感想 ―
[一言] 魔王のシモベたちよ! とっとと魔界に帰りなさい!(ォィ きっとお姉ちゃんは美魔女ではあるんだよ(ォィ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ