表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/45

2 魔王さま、ケイサツザタになる。

 拾った赤ちゃんを育てると決めたものの、人間どころか生き物を育てたことなどない魔王。

 さっそく悩むことになった。


「ふぎゃ、あぅ!」

「爺。コヤツはなんと言っておるのだ」

『爺も人間のことはわかりかねます。魔王さまの翻訳スキルでなんとかなりませんか』

「全くわからん。とりあえず幼体の育て方を知っている者を配下に加えよう。人の姿なら人里に紛れても問題あるまい」


 ケルベロスが自信ありげに吠えて、ある方角に歩き出します。


「ふむ。ついてこいと申すか。頼もしい限りだ」


 魔王はケルベロスのあとに続いて歩きます。 


 しばらく歩くと、民家が見える場所に出ました。


 足元は土ではなく、灰色の平らな道にかわります。


 道の脇に畑があり、腰を丸めたおばあさんが野菜の手入れをしているのが見えました。

 この世界の人間なのだから、少なくとも魔王より赤ちゃんの育て方に長けているでしょう。


 そうふんで、魔王はおばあさんのそばまで行き命じました。


「そこの人間よ。この幼体を育てる方法を知らぬか」


 おばあさんは雑草を引っこ抜く手を止めて魔王の方を向き、腰を抜かしました。


「はああああ!? あ、ああ、あんた、なんで裸なん!? チカン!? それにその赤ん坊はなんなん!? け、警察!! おまわり呼ばにゃあ!」

「おお、ケイサツ? というのはよくわからんが、儂はこの世界でも恐れられる存在なのか。ふはははは!」


 翻訳スキルのおかげで会話はできますが、警察を呼ばれるのはまずいことだと、微塵も理解してません。


『サスガです魔王さま。小さき姿でも人間に恐れられるとは』 


 ワンワン! とケルベロスも吠え、赤子もぎゃあぎゃあ泣きます。


 馬鹿でかい叫び声と泣き声を聞きつけ、近くで農作業していた数名もやってきて、さらに大騒ぎとなるのでした。

 

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=151707040&size=300


新連載はじめました。
シスター・キントレ!
design.png
― 新着の感想 ―
[一言] 2ページ目のイラストに吹きました!! そしてこういうハプニング展開とか好きなのです!! ストリーキングとなってしまった魔王様!!(ォィ 果たしてどうなるのか!!
[良い点] 魔王様、いきなりピンチになっていますね。 農家のおばあさんはパニックになり、赤ちゃんと柴犬は大騒ぎ。 何ともえらい事になっちゃいました。
[良い点] 魔王さま、すっぽんぽんでは絶対的不審者に!! はたして、赤子と共に人間界でどんな暮らしが待っているのか! その前にすでにもう次回警察と一悶着ありそな。。。 今回の作品も面白い予感! 頻度…
2022/10/30 19:11 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ