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第二十六章 吐露された本音

「日々の仕事も相まっているのに、それは大変ですね・・・」


「あぁ。

 確かに、兵士を束ねる存在というのは、誰からも憧れの目線を向けられるけど、想像以上に辛いんだ。

 全ての責任を負わされ、貴族や王族からの要望に応え、常に人の目を気にしなければいけない生活なん

 て、一切望んではいなかった。

 兵士長になって、それなりに重大な任務も任せてもらえるようになったから、周りの人々は私を尊敬し

 てくれる。

 それだけだったらまだ良いんだが、変に異性から言い寄られても、困るだけなんだ。私には

 『やるべき事』があるのに・・・!」


「『やるべき事』?」


彼が目を鋭くして発した言葉、その言葉の意味を理解したのは、彼が自分の生い立ちを話してくれた後だった。

嬉しい思い出や楽しい思い出は忘れやすいのに、悲しい過去や苦しい過去ばかりが、頭から離れない。

端的に言えば、彼はその不思議で理不尽な原理に振り回された人生だった。

でもその原理に悩まされていたのは、私も同じ。せっかく転生したにも関わらず、時々前世の苦しい記憶が蘇ってしまう。

それは、離れてほしくても離れない、痛いくらい苦い記憶。・・・でも、私の場合、彼に比べたらまだマシなのかも。

だって、私は転生して、前世の問題からは完全に決別できたんだから。


でも、今の彼を形作っているのは

楽しい思い出よりも、悲しい過去の方が優っている事も

また皮肉なのかもしれない



『上』としての苦しみや悩みを

コンは『下』から見ていた

しかし、彼女には自然と彼の苦しみが伝わっていた

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