第二十六章 吐露された本音
「でもバカラさん、今までの成果が認められて、兵士長の地位に立つ事ができたんですよね。
なら、何もやましい事は無い筈ですけど・・・」
「・・・うん・・・そうなんだ・・・
そうなんだけど・・・」
バカラさんは、「はぁー・・・」と、大きなため息をつく。その態度に、私は冷や汗をかいてしまった。
・・・もしかして、言っちゃいけなかったのかな・・・?
それともバカラさん、実力で地位に就いたわけではない・・・とか?
いやいやいや!! バカラさんがそんな卑怯な人間には見えない!!
・・・じゃあ、何に対してのため息なの・・・??
「・・・こんな思いをするくらいなら、兵士の方が良かったとすら思えるよ。」
「そんなに、最近はモンスターによる被害が拡大しているんですか?」
「いや、私が悩んでいるのは、『仕事』に関してではなくてね・・・
兵士を束ねる地位になってから、相手にする対象が多くなってね、それが私を悩ませているんだ。」
・・・成程、バカラさんを苦しめているのは、長としての『仕事』ではなく、長としての『人間関係』か。
確かに、有名になればなるほど、追っかけて来る人も増えるわけだし、気が休まら合いのも無理はない。
まるで、行き過ぎたファンによる強行に頭を抱えるアイドルみたい。というか、この世界でも『そういった人間』がいるんだ。
前世の世界でも、女優や俳優がプライベートを覗き見される事は多かったけど、本人は相当辛いんだろうな。
ファンどころか、人っ子一人いないこの場所は、確かにバカラさんにとって一番過ごしやすい環境なのかも。人獣はいるけどね。




