第二十六章 吐露された本音
彼を見張る者はいない
彼の隣には、命の恩人
そんな状況下で、バカラは語り始める
抑え込んでいた、自分の本音を
「・・・ごめんね、突然こんな話をしてしまって。」
「・・・いえ、いいんです。
むしろ、此処でしかそんな話はできないでしょ?」
私がそう言いながら微笑みかけると、彼も笑みを溢した。
「私が兵士になったのは、モンスターに襲われて、命を落とす人を一人でも多く救う為。
時代が進んで、兵士達の実力が年々上がっているとしても、モンスター関連の事件は一向に減らない。
しかも、間接的にモンスターが関わっている事件等も換算すると、増加している一方だ。」
「へぇ・・・
『へぇ・・・』なんて他人事だけど、他人事ではないんですよね。」
兵士が担当するのは、人間が起こした事件だけではない。当然、人間に敵対するモンスターの事件も取り締まらないといけない。
里の近くを根城にしていた盗賊団だって、もしかしたら里を襲う可能性だって十分にありえた。でも、こんな山奥にまで仕事に行かなくちゃいけないなんて、兵士という職業も、相当大変だ。
それに、兵士の職は結構重労働な事が多く、せっかく兵士としての資格を獲得しても、辞めてしまう人も多いんだとか。
なんか、前世の警察官事情みたいだ。
・・・でも、この世界の警察という名の兵士が相手にしなくちゃいけないのは、人間だけではない。
言葉が通じない、人間に敵意をむき出しにするモンスターも相手にしなくちゃいけない。
野生動物でも結構おっかないのに、威力も迫力も桁違いのモンスターとなれば、〈ノリト〉を扱う私でも、ちゃんと武器を構えられるかすらも分からない。
そんな相手と毎日戦っていたら、精神が削れるのも仕方ない。でも、必要とされる職業である事はほぼ間違いない。
こうゆうのも、『需要』と『供給』の関係性と似ているのかもしれない。




