第二十四章 夜空の鑑賞
ヤバい・・・想像するだけでもヤバい・・・
バカラさんは、私達人獣と普通に接してくれているけど、この世界で生きる全員の人間が、バカラさんの様な価値観を持っているわけではない。
もしそうだったとしたら、この世界は今以上に発展していると思う。
それに、ついさっき聞いたばかりじゃん。兄が王都に行って、姿形が違う事で色々とアクシデントに遭遇した話。
もしこの里に、人獣を快く思わない人間達が、からかい半分で足を運んできたら、被害に遭うのは私だけではない。
・・・まるで、私の中にいる『前世の自分』が、警報を発している気がした。
危機を察知したら、すぐさま行動に移さないと、手遅れになる。
そして、一度手遅れになってしまうと、挽回するのは相当至難である事を、前世の私は痛いくらい実感した筈。
『いじめ』をただ黙って我慢しているだけでは、何の解決にもならなかった。
自分の境遇を何とかしたいと思い立った時点で、全てが手遅れだと悟った前世の私。
なら今の私は、あの時の様に、ただ黙って彼らの動向を観察するわけにはいかない・・・!!
「・・・あっ」
「ちょっといいかな、コンさん。」
私が発言しようと思った直後、バカラさんの方から話を切り出されて、少し焦った。
でも、彼の顔色から、何を話そうとしているのか、何となく想像できてしまう。
さっきまで美しい夜空に感動していたのに、一瞬で我に帰った様な顔になってしまった。




