第二十三章 いつもとはちょっとだけ違う夜
・・・というか、兄の部屋は、私の部屋の隣。つまりバカラさんは、私の隣で寝ている事に・・・はならないか。
ちょっと妄想が過ぎちゃったな、でもさ、こうゆう状況に焦らない女性はいないと思う。
バカラさん、多分本人は気づいていないと思うけど、結構女性から好意の目を向けられているだろう、ほぼ確実に。
そんな人達が、今の私の状況を知ったら、多分私は殺意を向けられそう。いや、私も嬉しくないわけじゃないよ。
ただ、そんな状況下で、ぐっすり眠れると思う??
無理無理無理!!
私も必死になって眠ろうとしたよ、でもその意思自体が逆効果である事に気づいたのは、すっかり夜が深まった頃。
明日も仕事がある両親は、既に眠っている。
まさか両親の寝ている場所で一緒に寝るわけにもいかず、私はこのままベッドの上で睡魔を待つのが苦しくなり、ベッドから飛び起きた。
そして、何となく窓から外の景色を見ると、今日は空気がすごく澄んでいるから、夜空に多くの星々が光り輝いている。
どうりで、窓から差し込む光が妙に眩しいと思った。朝日の光とは違い、月や星の光は、ミステリアスで落ち着いた光に見える。
家を漂う小さな埃までも、美しく思わせてくれる夜空の光。窓の向こうから夜空を見ると、眩し過ぎてちょっと目が痛んだ。
私は、もっとこの夜空を満喫したい考えに支配されて、忍足で家から出て、そのまま梯子を使って屋根に登る。
夜だから梯子からずり落ちる危険もあったけど、夜空から放たれる明かりによって、手元も足元もはっきり目視できる。
屋根に登った私は、そのまま屋根の上に寝っ転がった。今はそんなに暑くもなく、寒くもない季節だから、割と心地良い。
夜空を満喫しながら、流れ星を待ち望んでいる私。
この里で生まれ育ってから、流れ星は何度も見ているけど、本当に一瞬しか見えないから、特別感は健在だ。
こんなに光り輝いている月や星を見るのは、前世でも全く体験しなかった。
それこそ、街頭や自販機の光のない、田舎だったら普通に見えるのかもしれないけど。
前世の私が住んでいた場所は、県中心から割と近い場所だったから、夜でもそこそこ明るい。でも、人工的な光は、時々私をイライラさせていた。
・・・いや、イライラしちたのは私だけではなかったのかもしれない。
何故、自然に発せられる光は、見ているとこんなに心が穏やかになるのに、人工的な光は、ただただ眩しいだけなんだろうか。
王都に行けば、街灯くらいあるのかな?
あぁ、もっと前世で世界史の教科書くらい読んでおけばよかった。
多分この世界はまだ電気が普及していないから、一つ一つ火を灯すタイプの街灯なんだろうな。そこら辺は、前世の洋画で一瞬だけだけど見た事がある。
そもそも私、この里でずっと過ごしているから、今世界がどうゆう状況なのかも分からない。
・・・それって・・・ヤバい???




