第二十一章 兄の近況報告
毎日里の為に頑張っているコンと同じく
王都に向かった兄も
日々鍛錬に明け暮れていた
だが、ただ単に里の在処を教えてもらっただけで、此処まで辿り着けるわけがない。
彼は至って普通・・・とも言えないかもしれないけど、バカラさんは純粋な『人間』
体力や持久力が高い、我々『人獣』とは違い、こんな場所に来るだけでも、相当体力と時間を要する筈。
でもバカラさんの口ぶりから察するに、今日の早朝から王都を出発して、今現在お昼。
つまり王都からこの里まで、半日で着けた・・・という事。
山の近くまで定期便の馬車を使ったらしいけど、それでも凄い事だよ。
さすが、日々精神と体力を鍛え抜いた結果、兵士を束ねる長になっただけの実力は兼ね備えている。
バカラさんの話によると、兄が里から王都まで、片道で費やした時間は、およそ4日はかかったんだとか。
多分、兄の場合は慎重にゆっくり進んでいる上、いろんな場所を見て歩いていたから、それくらい時間がかかったんだと思う。
でも兄の気持ち、私には何となく分かる気がする。
里から出た新鮮な気持ちと、今までに見た事のない世界を目前にすれば、足取りが軽くなるのも頷ける。
バカラさんの話から、兄が無事に王都へ到着して、兵士としての修行に励めている現状を知る事ができて嬉しかった。
・・・それにしても、『運命』というか・・・『偶然』というか・・・
バカラさんが深傷を負いながらも生き残れた事も十分奇跡的だけど、助けたバカラさんが兵士長だったなんて全然知らなかった上、彼が教育しているのが兄だなんて、面白いくらいの巡り合わせだ。
それこそ、バラバラに生えた蔦が一本の細い木に巻き付いている様な、自然の悪戯なのか、それとも何らかの手が加えられたのか、面白い程繋がってしまった。




