第二十章 兵士長 ペチュニア・バカラ
「『彼』に聞きました。」
「・・・彼?」
私には何となく察する事ができたけど、念のため聞いてみた。
その質問を聞いた彼は、何故か私をジッと見つめる。その目線に恥ずかしくなった私は、つい彼から目を逸らしてしまう。
そんなの、失礼だと心の中で分かってはいるんだけど、こんなイケメンを真正面で見るのは転生前でも経験がなかったから、一体どんな顔で見ればいいのか分からない。
前世では、アイドルとか俳優に一切興味がなかったから、『イケメン』の定義とかも全く分からず、テレビでよく『若手のイケメングループ』とか『期待のハンサム俳優』なんて番組が放送させていても、全然心はときめかなかった。
アイドルや俳優が好きな人は、追っかけやらグッズ集めをしながら、至福のひと時を味わっていたみたいだけど、それすらも理解できない。
でも、いざ本物のイケメンを目にしてしまうと、不思議と分かってしまう事が色々とある。何故人が、顔立ちのいい人間を追いかけるのか。
ずっと見ていたいと思える、そんな不思議な魅力。それこそが、『イケメン』や『ハンサム』としての基礎なのではないか・・・と。
でも私の場合、ファンとか追っかけにはなれそうにない。
だって、しっかり目を合わせて見る事も難しんだよ、私。どんだけなのよ・・・
「君・・・もしかして・・・
ギン君の妹さん?」
「あ・・・あぁ、はい。
・・・ひょっとして、里の事を話したのは・・・」
・・・・・
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
やっぱりアレかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
いや、そうだとは薄々思ってたよ!!!
だって王都の人間がこんな辺鄙な里を知っている可能性なんて0に等しいし、一度里に来たとしても、二度目も間違いなく来れるって、明らかに不自然だよねぇ?!!
此処は山々に囲まれている、自然の脅威が隣り合わせな里。記憶だけで辿れる程生易しい場所じゃないからね、此処!!!
だとしたら、やっぱり誰かが里の場所を教えるくらいはしなと、無傷で平然とした状態で里に来訪できるわけがない。
森の中で迷えば遭難は確実、かすり傷だけで済めばまだ奇跡だ。最悪野生動物かモンスターに襲われて命を奪われてしまう。
そう、全ては
コンの知らぬ間に 進んでいたのだ
コンの気付かぬ間に・・・




