第十七章 事後
目覚めたコンには
やらなければいけない事がいっぱいある
自分の行為と向き合いながら・・・
結局、私が目覚める事ができたのは、あれから4日後の事。母はその間、ずっと私の側に寄り添っていたらしい。
そして、私が目を覚ました事により安心した母は、その場で倒れ込んでしまう。
母も私と同じく、4日間はベッドから動けない状態になってしまった。心労と心配が重なった結果、風邪になってしまったのだ。
その間、父が心配や迷惑をかけた里の皆へ謝って回っていた。
途中から私も一緒に回って行ったけど、皆は一貫して、「無事でよかった」と言うばかり。
それは確かに事実だけど、私としては、このまま『めでたしめでたし』で終わらない気がする。緊急事態とはいえ、私が『禁断の領域』に踏み込んでしまった事実は変わらない。
ただ、その事実を知ったのは、ようやく一家の体調が安定した頃。父が私に対して何も言えなかった原因は、私の編み出した〈ノリト〉にあった。
最初は、他所様に〈ノリト〉を施してしまった事に対してかと思ったけど、どうやら私がしでかしてしまった事は、予想以上に大事らしい。
それもそうだ、私も父の話を聞いて、背筋が凍りついた。
まさか、私が即興で作り上げた〈ノリト〉が実現してしまうなんて、私自身も思っていなかったから。
しかもその成功自体が、『稀』では済まされない事であった。
私はずっと今の今まで、両親が複数の〈ノリト〉を所持していると思い込んでいたけど、その時点から間違っていたのだ。
今私のシルフォ一家が引き継いでいる〈ノリト〉は、あの〈凍てつく一粒〉のみ。
昔は多種多様な〈ノリト〉があったそうだけど、今はもう受け継がれている〈ノリト〉は一つだけ。
その理由としては、『混血』によって血が薄れた事で、新たな〈ノリト〉を学んだとしても、実
現させる事ができないそう。
その上、新たな〈ノリト〉を編み出す事は相当至難の業。それなりの修行を重ねた人獣でも、できるかできないかは五分五分なんだとか。
それをいきなりやってのけたから、両親は驚いているのだ。恐らくその直後に『MP切れ』になったのは、その反動だ。




