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その頃、、兵舎にて(3)

「・・・ただ・・・」


「え??」


兵士長が、突然手を口に当てて、何かを思い返している。まるで、荷物が山の様に保管されている倉庫から、目当ての物を探っている様に。


「私が意識を取り戻した時、私の顔を覗き込んでいた、『あの女の子』は、一体・・・」


そう言いながら、兵士長が俺の顔を見ると、急に兵士長の顔が明るくなった。

俺は一気に変わった兵士長の顔に驚いていると、突然兵士長が詰め寄って来る。


「そうだ・・・!!

 彼女も、君の様な風貌をしていた!!!」


・・・それってつまり、『人獣(俺の同族)』・・・という事か?

でも、かすり傷や打撲を処置するならまだしも、傷口を塞ぐ魔術を扱える人獣なんて、聞いた事もないぞ・・・??

それこそ『神獣』の域だ。


「・・・でもその直後に、また意識を失って、再び目覚めた時・・・

 私は『見知らぬ家』で寝かされていた。そこに住んでいる人も、ギンの同族だった。

 ・・・いや、その家の周りにも同じ様な家が点在していたが、そこの住人達も、ギンの同族だった。」


「・・・それって、ギンの『生まれ故郷(フシミの里)』なんじゃ・・・?!」


その単語が同期の口から出た途端、今度は俺が兵士長に詰め寄った。

人獣が住う里や村はあちこちに点在しているけど、あの辺りで一番近い人獣の里は、あそこ(フシミの里)しかない筈。

周りの空気が一瞬にして固まり、俺を凝視する一同。

『人獣』という種族だけでも珍しいのに、その珍しい種族が固まって生活していう集落となると、いよいよ現実味を帯びる。

・・・まぁ、俺としてはちょっと誇らしい気分だけど。


コンの予期せぬ場所で

彼女の名前と噂は

徐々に広がっていくのであった

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