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その頃、、兵舎にて(3)

薄れかけていた希望が

一気に現実になった反動で

ギン達はただただ唖然とするしかできなかった

「兵士長!!!」


「やぁ。

 ・・・すまないね、私のミスで・・・

 君達にも随分迷惑をかけてしまったようだね。」


「いえいえ、そんな・・・!!」


俺達が急いで兵舎へ戻ると、いつも通りの爽やかな顔で笑っている兵士長が、割と平然とした様子で帰って来ていた。

それには若干疑問を感じたけど、今はそれどころではない。大泣きしながら兵士長の帰還を喜ぶ同期もいれば、唖然としたまま硬直する同期もいる。

俺は安堵感が抑えられず、その場にへたり込んでしまった。全身が脱力して、立つ事すらもできない。

そして俺のポカーンとした表情を見た兵士長は、笑いながら俺の手を引っ張って起こしてくれた。

兵士長の手に触れた瞬間、「もしかしたら冷たいんじゃないか・・・?」と思ったけど、しっかり温もりが感じ取れる。

だって、兵士長には悪いけど、とても信じられなかった。その体には傷一つなく、いつも通りピンピンしている。

十数日間、山の中で彷徨っていたとは思えない。最初は『幽霊』かと思ってしまったけど、そうでもなさそう。

というか、俺以外の人間も、頭に?(はてな)マークを浮かべている。陰でコソコソ話す兵士達や、必死になって考え込む教官の姿も。

俺も色々考えたけど、何故兵士長がこれほど無傷で帰って来られたのか、全然分からない。

此処まで生きて帰って来られたとしても、傷だらけで息も絶えかけかと思っていたけど、兵士長自身も呟いている。

「此処まで無事に帰って来られる事は諦めていたけど・・・」と。本人にも分からないなら、俺達に分かるわけがない。


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