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その頃、、兵舎にて(1)

コンが意識を失っている最中

王都の兵舎で夕食を取っている兄のギンは

不安の募る環境の中に埋もれていた

兵士長が遠征に行って、早一週間が過ぎてしまった。相変わらず消息すらも分からず、俺達『兵士訓練生』の皆も、焦りを隠せない様子。

訓練生の中には、黙って兵士長の安否を確認しに行こうとする仲間もいる程。

しかし、何処にいるのかも定かではない現状で探すのは、無謀すぎる。それこそ、この広い世界から一人の人間を見つける事と同じだ。

でも、俺はそんな無謀な考えを持つ仲間を咎める気にはなれず、ただただ憂鬱とした日々だけが続き、訓練にも身が入らない。

ついこの前まで賑わっていた筈の夕食時でも、兵士長が居ないだけで、ピリピリとした空気に包まれ、心なしか飯も美味しく感じない。

それもそうだ、兵士長は俺達訓練生の育成に、人一倍力を注いでくれた人であり、俺達にとっては『目指すべき存在』または『模範となる兵士の鑑』である。

俺の様な『人獣』にも、兵士長は熱心に教育を施してくれた。

座学から戦闘訓練、その他にも色々な知識を授けてくれた、俺にとって『恩人』と同等の人物だ。

今もこうして、兵舎で大勢の仲間と共に切磋琢磨できるのは、兵士長のおかげである。きっとあの人がいなかったら、俺はとっくに心が折れていた。


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