第十五章 神に捧げる言之葉
「あぁ、あれは〈ノリト〉だ。」
「・・・〈ノリト〉??」
父の話によると、〈ノリト〉とは、神や精霊に捧げる言葉であり、武器に神秘なる力を宿らせる為、神や精霊にお願いしている文言なんだとか。
でも何故、シルフォの一族だけが〈ノリト〉を扱えるのか、それもちゃんと教えてくれた。
どうやらシルフォ一族の祖先は、かつて神様に使えていた『神聖なる種族』であったそう。
そして、人獣のルーツともなっているのが、シルフォ一族の祖先なんだとか。
転生する前、そんなセッティングした覚えはないけど、私がこの世界に介入しているわけだから、私でも知らない事情があるのは当然か。
何故神様がこの世界から消えたのかは、分からず終い。でもその血に宿る〈血族能力〉だけは、今でも引き継がれている。
〈血族能力〉とは、その一族にしか使えない能力。血族ではない他人が使う事は絶対的に不可能である能力。
口では簡単に伝えられるけど、能力を実現させる事ができるのは、一族の存在のみ。
だから私だけではなく、父も母も、兄も使える能力、それが〈ノリト〉
厳密に言えば、あの能力自体が〈ノリト〉という名前なんだとか。
ちなみに、フシミの里で暮らしている人獣の大半は、私の一族から派生した家々なんだとか。でも派生した人獣は、〈ノリト〉を使えない。
多分それは、人獣以外の血が混ざったからだと思う。
ハーフやクォーターなんてレベルじゃない、何十年・何百年と過ぎていく時間の中で、神聖な血が薄くなってしまうのも、仕方ない事だとは思う。
でも、シルフォの一族だけは、血が薄れない。それはシルフォの一族が最も神に貢献した一族なんだとか。




