表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/241

第九章 しばしの別れ

「できれば、俺が里へ帰って来ても、この名刀はお前が肌身離さず持ち歩いてほしい。俺はこの宝剣を扱

 うには、あまりにも雑すぎる人間なんだ。

 人の感情にも、自然の流れにも敏感なお前が持ってこそ、この名刀は本領を発揮できると思う。」


「・・・・・

 うん、分かった。」


私は静かに、兄から名刀を受け取った。それと同時に、朝日が黄金の獣に反射して、それに呼応する様に、山から涼しい風が里へ吹き抜ける。

まるで山も、兄の門出を見送る様に、木々の一本一本が大きく揺れていた。兄の顔に、もう曇りなんて一切ない。

兄は父と母に最後と別れを告げ、里の出入り口へ振り向いた。その大きな背中を、私達はただ静かに見守る。

心の中で、兄の成長と無事を願いながら。皆は一言も言葉を交わす事もなく、兄の背中が見えなくなっても、その場から動けなかった。

私は受け取った名刀を腰に下げ、これからお世話になる刀に向かって挨拶を小声で囁いた。「これからよろしくね」と。


・・・・・

でも・・・・・



せっかく憧れていた妹としての生活は、一旦中断になってしまった。兄が里を去ってしまったのも悲しいけど、前者も同じくらいショッキングである。

その悲しみに耐えきれず、私は無意識に涙と鼻水をドバドバ流していた。そんな私を見てドン引きする皆、本当にすいません。



潔く去る兄とは対照に

未練タラタラな妹のコンであった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ