第九章 しばしの別れ
兄は兄の道を歩む為に
コンはコンの道を歩む為に
託し 受け入れる
「・・・分かった。私がこの宝剣を預かるよ。
扱えるかどうか分からないけど・・・」
「普通の剣が扱えるお前なら全然大丈夫だろ。」
「いや、剣の扱いには慣れてるけど、丁寧に扱わないと色々と怖いから・・・」
「そっちかよ、分かるけど。
というか、武器を丁寧に扱っていたら、元も子もないんじゃないか?」
いや、そうは言うけど。
こんな立派な名刀、博物館で厳重に保管されていても不思議じゃないレベル。
兄が時々身につけている姿は見かけているけど、正直見ているだけでも冷や汗が止まらない。
別にやましい気持ちがあるわけでもないのに、何故か申し訳ない気持ちになってしまうのも、この剣が名刀だから故か・・・?
里の守り神でもある名刀・・・なんて、超ロマンチックではあるけど、実際に持つ側になると、どうしても弱腰になってしまう。
この世界の剣が、基本的にどんな姿形をしているのかは知らないけど、この宝剣・キュウビは、私の前世で『刀』として区分される見た目をしている。
西洋の刀は、『諸刃』
刀身の左右に刃がある。
しかしキュウビは、『片刃』
刀身の片方にしか刃がない。
若干カーブを描いた刀身は、真っ白に光り輝いている。光に照らされて光っているわけではない、刀身自体が光っているのだ。
しかし、キュウビの一番の特徴は刀身ではなく、『鍔』にあたる部分だ。
鍔とは、刀の持ち手と刀身を繋ぐ部分にある、丸い小皿にそのまま刀身を貫き通した部分。
前世で大ヒットした超有名漫画で、私もちょっとだけ勉強した事がある。
キュウビの鍔は、小皿の様な円形ではない。黄金に輝く獣だ。
狐にもライオンにも似た獣の鍔だが、思ったより結構軽い。
その大きさは私の片手と同じくらいの大きさ。普通の鍔の何十倍も大きいけど、思ったよりも結構軽い。
父の話によると、その黄金色の獣こそ、キュウビの本体なんだとか。
目にあたる部分にはルビーの様な宝石が2つ嵌め込まれている。しかもよく見ると、しっかり両目に瞳孔がある。
その鍔と刀身を合わせて見ると、黄金の獣が白い炎を吹いている様にも見える。どっかの怪獣映画で見た事がある気が・・・




