余談 無機質な葬式で安らかに眠る
逆に考えれば、こうでもしないと彼女は逃げられなかった。彼女の両親も葬式には出席しているけど、両親の方が苛立っている様子。
その理由については、問わない方がいい。彼女の家庭環境がそれほど良いとは言えない事も、今までの体たらくから察すれば一目瞭然だ。
彼女は、今までに一体何回、自分の苦痛を訴えたのだろうか。一体どれほどの人間に訴え続けたんだろうか。
先生・校長・両親。数えたらキリがないのかもしれない。
しかし、結局彼女は救えなかった。誰も彼女を救おうとしなかった。
誰もが自分の事だけに精一杯だった、それくらい『大人気ない』人間達ばかりだった。この式に出席している全員が、子供以下の人格者であった。
・・・あぁでも、私もその一人なのか。それもそうだ、今更責められても、もう言い逃れなんてできない。
私に課せられた罪、それはこの事実を死ぬまで引き摺り続ける事。それで彼女が浮かばれるのなら、何もできなかった自分にも、少しは価値が生まれる。
そもそも、人間に価値なんてあるのかな?
彼女をいじめていたクラスメイトにも
彼女の救いを無視し続けていた担任や校長にも
娘の死を平然と傍観する彼女の両親にも
そして、勇気もなく、何も告げられずに葬式場をさる私にも
少なからず、亡くなった彼女以上の
価値は無いだろう。
そしてこの『事故』・・・いや、『事件』は
この直後、皆の記憶から消される事となる




