余談 無機質な葬式で安らかに眠る
私が声を張り上げたくても、多勢に無勢。周りは、圧力に満ちた無言で制止している。
何故なら彼らにとって、この式はまさに、命懸けの『サバイバル』
少しでも尻尾を出せば、メディアが見え隠れする真実を引き摺り出そうとする。そうなれば、同級生のみならず、学校自体の存続も危うくなる。
彼らはそれくらい、大きな爆弾を抱えてこの葬式に出席しているのだ。
その爆弾が吹き飛べば、きっと私もタダでは済まない。でも、いっその事そっちの方がマシなのかもしれない。
こんな憂鬱な気持ちを毎日抱えながら、誰にも相談できずに、死ぬまでこの『大罪』を背負う事になるんて、まさに『生き地獄』
でも、彼らは『罪』とすら思っていないんだろう。何故なら彼女を死に追いやったのは、彼女の『思い人』のみ。
だからこそだろう、彼らの顔からは、「俺は悪くない」「私は悪くない」という、自己防衛の本心がひしひしと伝わる。
そんな本心を演技によってひた隠し、ただただ式が終わる事を苛立ちながらも待ち望んでいた。私は今すぐにでもこの場から逃げ出したい、いっその事、彼女の後を追いたい。もうこんな世界に生きる価値なんて、私にはない。
私はずっと、見て見ぬフリをしていた『傍観者』だ。苦しんでいた彼女に、救いの一言すらかけられなかった、貧弱で卑怯な人間。
こうして彼女の死に顔を見ていると、自分の背負った罪の重さに耐えきれなくなり、一瞬見ただけですぐ自分の席へ戻った。
でも、彼女の見せてくれた最後の顔には、羨ましさすら感じてしまう。彼女はようやく、この腐りきった環境から逃げる事ができたのだ。




