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第六章 『人獣』とは

彼女は、自分に生えるフサフサの耳と尻尾が大好き

暇さえあればお手入れも欠かさない程に

この世界に『コン・シルフォ』として誕生した直後は、まだ自分の体が『人間』ではない事が理解できなかった。

生まれたばかりは確認したくても体がまだ自由に動かせなかった。

でも、私に沢山の愛を注いでくれる両親の外見から見ても、私が普通の『人間』ではない事は、自分自身で確認しなくても分かってしまった。

何故なら私がまだハイハイしかできなかった頃、父の尻尾で遊ぶのが好きだったから。

完全に猫になった気分で、これが『人獣』のオーソドックスな教育である事は後々分かった。

動く獲物を捕らえる練習らしいけど、前世の世界で生きていた野生動物と似通っている。

動物好きで、動物の知識もあった私は、わざわざこの異世界に転生しなくても、前世の世界で『犬』や『猫』に生まれ変わったとしても楽しんでいけそうな気がする。

でもこっちの世界の方が過ごしやすい事に変わりはないんだけどねっ。

そして、ようやく自分の体を自分自身で確かめる事ができるようになってから、両親から『人獣』について色々と教わった。


人獣と人間の違いは、『獣耳』と『尻尾』である。フサフサしている耳が生え、尻尾が一番特徴的だ。

尻尾は自分の両親と同じ場合もあれば、遺伝子変異等の影響で変わる場合もあるけど、基本的に一族は同じ耳と尻尾を持つ。

簡単に説明すると、両親の目が碧いと、子供の目も碧くなる。両親の手が大きいと、子供の手も大きくなる。

両親がフサフサの小さな尻尾を持っていると、子供もフサフサの小さな尻尾を持つ。

このように、人間とは外見が少し違うけど、その根本は人間とほぼ変わらない。

ちなみに兄の毛色は父親譲り、私の小麦色の毛並みは母親譲り。色は違うけど、形状は全く同じ小さな耳だ。

私の一家の特徴としては、尻尾は大きいけど耳は小さい。でも音はしっかり聞こえている。

人獣は、人間以上に聴覚が鋭く、視野も広い。

だから遠くからの物音だけで、そこで何が起こっているのか、何となく予想できてしまう。これに関しては、若干『勘』と『経験』にもよるけど。

他にも、常人離れした高い持久力と体力を兼ね備えている為、里に住む人獣達は、主に肉体労働で生計を立てている。

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