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第五章 温もりに溢れた家庭
「お兄ちゃん、体調は大丈夫なの?」
「ん??」
「だってお兄ちゃん、明日の早朝『出発』なんでしょ?
今日こんな大仕事を引き受けてくれたから、出発するのは少し休んでからの方が・・・」
「何言ってるんだよ、お兄ちゃんはそんなにヤワじゃない。それくらい、妹のコンならわかるだろ?」
「いや、王都に着く前に体力が切れて野垂れ死にしたら、お兄ちゃんが浮かばれない。」
「なんだそりゃ! あっはっはっはっはっは!!」
私は割と真剣なのに、ケラケラと大笑いする兄。前世では一人っ子だった私にとって、『兄』や『姉』はクリスマスプレゼント以上に欲しかった。
時々クラスメイトの兄や姉を見ては、いつも凝視していた。
時々喧嘩をしながらも、家族として仲良く接している姿を見ると、妬ましさすら感じる程。
私にも兄弟や姉妹がいたら、きっと運命は変わっていたのかもしれない。そう思うのは、転生してからも思う。
そんな何処にでもあるような家庭に
転機が訪れようとしている




