第五章 温もりに溢れた家庭
「分かった、じゃあ今日は沢山食べて、明日に備えるよ。あ、じゃあお母さんは野草摘みを代わりに行っ
てくれる?
そろそろ『ジュン草』が旬だから、サラダにして食べたいんだ。」
「分かったわ、任せて!」
この里には住民が少ない、だから住人それぞれに役目があって、どの役目も非常に重要だ。
村長の役目は、住人達の体調や事故を確認して、里全般に支障が出ないようにフォローする。
娘である私も、その役目を多少だけど担っている。父の手伝いをするのが、私の勤め。
ビーバ家は、主に木材類を管理して、必要になった家へ提供する。
木材と一括りに言っても、使い方によって色々と形が変わる。
火を育てる薪、家の修理・建築に絶対必要な丸太や木板、日用品や道具を作る為の資材としても、木は絶対必要になる。
だからこそ、木を扱う家がその役目を果たしてくれないと、里に住む人々の生活が成り立たない。私も母の一言を聞いただけで、首を縦に振った。
仕事には怪我がつきものだ、怪我をしないように細心の注意を払っても、怪我をしてしまう時は絶対と言っていい程訪れる。
だからこそこんな時こそ、みんなで協力して、その役目を担ってあげる事が大切・・・という言葉を、よく父から聞いている。
薪割りなんて、武器を扱える私なら造作もない。むしろ無心で木を割るだけだから、結構スッキリする。
唯一心配なのは、夢中になりすぎて必要以上の木を割ってしまう事。
この前なんて、薪小屋に収まらない程割ってしまって、父が腰を抜かして驚いていた。




