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序章 今日も夢見た、穏やかな日でした

ガサガサガサガサガサガサガサ


「っ?!!」


音だけでも分かる。遠くの方からこっちに何かが猛突進で向かって来ている・・・!!

ついに『アイツ』が現れた!!!

私はすぐさま背中に背負っていた弓と矢をセットして、近くの木にスルスルと登る。まるで蛇の様に枝を移りながら、視界が広い場所を探す。

こうしている間にも、もう迫る振動が木々を伝い、私を奮い立たせる。怖いけど、すごく楽しみだ。

木々を恐怖で触れさせる程の巨体を持つ『イノブタ』なんて、想像できないけど魅力的だ。

イノブタはその生態上、間近で見た事は殆ど無い。イノブタは耳がとても良いから、後ろから迫ってもすぐに気づかれてしまう。

それだけならまだ、村民の皆が危険視しない。イノブタは、ちょっかいをかけた相手が例え人間でも、自分より大きな動物でも許さない。

とにかくその体を素早く飛ばし、相手に直撃しては逃げ、直撃しては逃げ・・・を繰り返す。

また、その目で追えないくらい素早い動き、剣や弓が当たる事も難しい。それに、相手が逃げに徹しても、イノブタは追いかけてくる。

イノブタの唯一の弱点としては、頭が悪い事だ。

イノブタは自分の体力や相手を考えず、ひたすら走り続ける事から、途中でイノブタ自身が体力切れを起こしたり、圧倒的に不利でも攻撃を中断しない。

しかも、今私と兄が狙っているのは、そこら辺にいるイノブタではない。兄の体を凌駕する程の大きさを誇る、『ホグジラ』である。


ドドドドドドドドドドドドド!!!


もうすぐ近くまで来てる・・・!!!

もし木の上に避難していなかったら、もうとっくにホグジラの視野に入っていた。ホグジラは、目に入った生き物に片っ端から襲いかかる。

成程、これほど厄介な動物になると、村長である父が頭を抱えるのも分かる。・・・いや、頭を抱えていたのは人間だけではない。

巨体が草を掻き分けてこちらに来る音がした直後から、さっきまで私の周りにいた動物達も、その姿を隠してしまった。



これも里を守る、大切な仕事の一環です

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