第四十八章 年を越せた安堵
「本当に・・・溶けてる・・・」
「何? あんまりにも積もってたから、溶けないと思ったの?」
「・・・はい・・・」
照れながらそんな事を言うウルシ君、可愛い。
でも彼が驚くのも無理はない、きっとバカラさんもこの雪景色を見たら、慌てるどころの騒ぎじゃ済まないかもしれない。
逆に、雪が少ない王都へ行ってしまった兄は、今頃何をしているだろうか・・・?
バカラさんが王都へ戻った直後、兄から手紙が届いて以来、音沙汰無い。
・・・というか、音沙汰無くて当然だ。この雪では、手紙を届けたくても届けられない。
「・・・あっ、そういえば。
ウルシ君は、私のお兄ちゃんの事、まだ知らなかったよね。」
「うん、話だけ聞いてる。」
兄にとっても、ウルシ君は『弟』だ。きっと家に帰って来たら喜ぶんじゃないかな・・・?
妹よりも同性の弟の方が話が合うと思うし。でも兄とウルシ君って、極端に真逆だからなぁ。
兄は活発なアウトドアだけど、ウルシ君は内気なインドア。多分、ウルシ君は兄の勢いについていけないかもしれない。
でもウルシ君、私が兄の話をしている間、ずっと楽しそうにしていた。
・・・もしかしたら、そこまで考え込まなくても、自然と馴染むのかもしれない。
ただ、互いに顔を合わせる事ができるのは、果たしていつになるのかは、誰も分からない。それこそ、兄の気分次第なのかもしれない。




