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その頃、王都にて(7)
「そこで、だ。
もう私は、貴族や王族の令嬢を諦めた。」
「・・・はぁ・・・?
『諦めた』・・・とは??」
「要するに、これからは位の低い相手も視野に入れようと思ってな。」
アン殿下、さっきまで真剣な表情を被っていた筈なのに、今度はニヤニヤとした、怪しい笑みを浮かべてる・・・
その表情を見た俺の背中に、寒気が走った。まるで、舌なめずりをする肉食動物に見つかった草食動物になった気分。
ビクッと一瞬だけ飛び跳ねた俺の体が、本能的にアン殿下が発する次の言葉を読み取っていたのかもしれない。
「そこでだな、今度私が直々に
お前の妹に『見合い』の件も含めて、会いに行く事にした。」




