その頃、王都にて(7)
苦悩するアン殿下が導き出した
この現状を変える『打開策』とは・・・
兵士長もアン殿下と、同じような文句を言っていた事がある。
そんな話をする兵士長を恨めしい目で見ていた同期もいたけど、本人は至って真剣に悩んでいる様子だった。
一度断っても何度も求婚を申し込む女性もいれば、権力を使って我が物にしようとする貴族や
王族の令嬢もいるんだとか。
父も言っていたけど、やっぱり女性のそうゆう・・・『執念』というのは、そこら辺を彷徨うモンスターよりも恐ろしいのかもしれない。
「ギンも『兵士』として名が通るようになれば、私の気持ちが分かるよ」なんて言っていたけど、正直そんな経験は、一生経験したくない。
アン殿下も兵士長に負けず劣らずの美形、でも地位は兵士長よりも格段に高い。
そんな存在なら、どんな女性を花嫁として迎え入れても、相手からしても差し支え無い筈・・・
ただ、問題はそこじゃない。
「相手との相性が合わないまま結ばれたとしても、何かとトラブルが多くなるだけだ。一国の王が親族内
で揉め事を抱えるわけにもいかないだろ。」
そう殿下は直々に教えてくれた。確かに、アン殿下の言っている事は、決して間違いではない。
確かに、国王として身を構えるのは大事だけど、『国の王』というだけで、身内事が大騒動に発展する事態も、考えられなくはない。
それに、王家の人間が身内問題を拗らせると、国民の信頼にも影響してしまう。他国から野次を飛ばされる可能性だってある。
そう考えると、アン殿下が婚約を渋っているのも、納得できてしまった。アン殿下、意外と先の先まで考えてるんだな・・・
身分が高いだけで、婚約がこんなにハードになるなんて、思いもしなかった。
好きでもない相手と結ばれる・・・なんて、想像するだけでも苦痛でしかない。アン殿下が、何だか可哀想に見えてしまった。




