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こころのサプリメント

雪国のちょっとあったかい話

作者: イトウ モリ

大雪が降った日は、人と人との会話が増える日だ。



おはようございます。

気をつけて。

いってらっしゃい。

いってきます。



普段会話がないようなご近所さんとも、全く見ず知らずの人ともそんな会話が普通にできてしまう不思議な日だ。


大変な状況なのに、何故かみんなちょっと笑顔で生き生きしている。


いやー、勘弁してほしいわ。

参ったねー。


そう口にする人たちの声は、総じて弾んでいる。



マイスコップを肩に担いだおじさんが、凛々しい顔つきで颯爽と雪道を歩いていく姿がとてもカッコいい。


聖剣を手にした勇者よりも強そうだ。


吹雪の中へ消えていくおじさんの背中へ、心の中でがんばれと声をかける。


バス停で待っていると、知らないおばさんとも普通に挨拶。

後ろに並んだおばあちゃんとも普通に会話が始まる。



動いてます?

さっき2台連続で通って行ったんで動いてるはずですよ。

あ、4つ前の停留所まで来てるみたいです。(アプリ起動)

じゃあもう来ますか、良かった良かった。



数秒前に結成したばかりのパーティだが連携は完璧だ。


でもバスが到着したら、みんなまた他人に戻る。もう誰がさっき話をした人かも分からなくなる。


そんな他人と自分が、ほんの一瞬だけ邂逅する不思議。




大雪が降った日は人と人との距離がとっても近くなる。



それは天気の良い日には起きない小さな奇跡。



雪かきで腰が痛いです。

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