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74話 ヴィクトリアの失踪(side:アレク)



「こいつはぶったまげたな……。」


マーカスが呟いているのが聞こえた。アレクも信じられないような光景に言葉を失う。

目の前に迫っていた魔物の大群が一瞬で消えてしまったのだ。


「ね?言ったでしょう?私ならできるって……あっ。」


クララは笑っているが力を大量に使った為か顔色が悪く言っている途中で体がフラついたので思わず支えてやる。


「大丈夫か?」


「はい、疲れただけです。少しだけアレク様の胸を貸していただけますか?」


そう言ってクララはアレクへとしなだれかかった。


「すぐに馬車を用意させます。クララ嬢はそれに乗ってお帰り下さい。俺は後処理が残っていますので。」


アレクは眉間にしわを寄せてしなだれかかったクララの肩を掴んで己から引き剝がした。



馬車を呼ばせようと周りを見たらロイが慌てたように走ってくるのが見えた。


「アレク!大変だ!!王宮から早馬が来た。…ヴィクトリア嬢がいなくなったそうだ。」


「なんだとっ!?」


「それに、アルフレッド殿下の居場所もわからないらしい。…アルフレッド様についてはお一人でマーガレット嬢を探しに行かれたのかもしれないが……。」


アレクが王宮からいなくなった途端に二人が一気にいなくなったのは誰かが意図的に行ったに違いない。


「アレク。ここはワシがやるからお前はヴィクトリア嬢を探しに行け。」


ここまで成り行きを見ていたマーカスが口を開いた。


「しかし……。」


「ここは大丈夫だ。それより早く探してやれ。」


「…わかりました、後はお願いします。ロイ、馬車を用意して………?」


マーカス団長の好意を素直に受け取ることにして、クララの為に馬車を用意させようとしたらそのクララが俺の腕を引っ張った。


「私も一緒にヴィクトリアさんを探しに行きます!」


「駄目だ。」


「お願いです!!」


「クララ嬢はさっきので疲れているのでしょう?今日はお帰りになってゆっくり休んでください。」


「私は大丈夫です!それに友達のヴィクトリアさんがいなくなったと聞いてじっとはしていられません。それに……私、心当たりがあるのです。」


「なんだと!?それはどこだ!!」


思わず我を忘れてクララに詰め寄った。


「い、言いません!私を連れていくのなら教えます。」


「チッ。」


クララは俺の剣幕に怯えたように見せるが頑なに連れて行けと言う。

くそっ、どうすりゃいいんだ!!


「まあまあ、アレク団長。ここはクララ嬢の言うとおりに彼女を連れて心当たりがあるというところに行きましょう。ここで言い争いしていても何にもなりませんよ。」


ロイが俺たちの間に割って入ってきた。

ふぅ…。俺としたことが冷静さに欠けていたようだ。ロイに窘められるとはな。

俺は大きく息を吐いて苛立った気持ちを落ち着けさせた。


「わかった。ではクララ嬢、心当たりがあるという場所へ案内してもらえるか?」


「はい!」


クララは嬉しそうに返事をした。


「では、さっそく馬車を用意させます。俺も一緒に行きますので。」



「あの、どうしても副団長にお話ししたいという女性が押しかけてきていまして……。」


そこへまた俺達の方へ走って来た騎士が報告するがその後ろから女が走ってくるのが見えた。


「ロイさん!!」


「おいっ、勝手に入ってくるなと言っただろう!!」


報告に来た騎士が慌てて女を押さえた。


「ロゼちゃん。こんなところまでどうしたの?」


ロイの顔見知りらしく驚いたような表情を浮かべている。

次から次へと一体何なんなんだ。


『知り合いか?』


『例の目撃者です…。』


『なるほどな…。』


他の者には気づかれないようにロイと俺しかわからないサインで会話をする。


「あの、思い出したことがあってどうしても早くロイさんに伝えたくて……。」


「なるほど、でも今日は僕も立て込んでいてね。明日ではダメかな?」


「いえっ、今すぐ聞いてほしいのです!!」


「じゃあ、今ここで聞くよ。」


「ここではちょっと……。二人きりでお話ししたいのです。」


ロゼという女は始終、落ち着かない様子で周りを気にしながら目をキョロキョロとさせている。


「ロイ、聞いてやれ。俺はクララ嬢と二人で行く。」


「しかしっ!!」


「大丈夫だ。俺一人で十分だし、お前も彼女の事が気になるだろう?」


「…わかりました。」




これが仕組まれた事でも行くしかない。


『気を付けろよ。』


『そっちこそ。』


そして、俺とロイは分かれて行動することになった。




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