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66話 悪い知らせ



あれからそのまま寝てしまったらしい。体を起こして窓の外を見るとまだ外は明るかった。

タイミングよく部屋の扉が叩かれた。手早く身だしなみを整えて扉を開くと真っ青な顔のメイが立っていた。


「どうしたの? そんな真っ青な顔をして……。」


メイを部屋に入れる。


「お嬢様……。つい先ほど騎士団より連絡がございました。騎士団は谷底に馬車が落ちたようだという通報があって調べた所、その馬車にメイスフィールド家の家紋があったと………。」


「っ!!」


メイの言葉に頭を殴られたような衝撃が走る。


「それでっ、御祖父様(おじいさま)達は!?」


「かなり高い崖から落ちられたようで、そこからではまず助からないだろうと………。」


「そんな……、遺体は見つかったの!?」


「遺体は見つからなかったそうです。崖の下は川になっており馬車の残骸は残っていたようですが、人ともなると川に流されたか、もしくは……。」


「もしくは?」


「山に住んでいる獣が……っ、お嬢様! お気をしっかりお持ちください!!」


メイの話の途中で気が遠くなる気がして体の力が抜けてしまった。メイが慌てて私の体を支える。


「お水をお持ちします。」


メイに支えられながらソファに腰かける。


御祖父様(おじいさま)達がこんなことになるなんて……、信じられないわ。」


「私も最初は信じられませんでした。」


「そうだわ、お父様は何とおっしゃられているの?」


「旦那様も信じられなかったようです。報告者に何度も同じことを尋ねられたと。その後は、必ずご遺体を探すようにと命じられたようです。後は、事故なのか事件なのかも調べるようにと。」


「事件?」


「御者はかなりの手練れだったようで、いくら風雨が強くても道を間違えるようなことはしないだろうと……。それでもあの日はかなり雷も鳴っておりましたし、馬が驚いて暴走したのかもしれません。それで調査させているようです。」


「そう……。」


お父様は何かを知っているのかしら、もし事件だとして御祖父様(おじいさま)達は誰に命を狙われていたのだろう。いいようない不安が押し寄せてくる。これ以上、悪いことが起きなければいいのだけど。



ドォーーーーーン!!!



私が物思いに耽っていると窓の外から大きな爆発音が聞こえた。


「何があったのっ!?」


部屋の窓に駆け寄って外を眺めると丁度、王都の中心部分から煙の様なものが上がっていた。


「ねえ、あそこって確か、教会があった場所よね?」


アレク達は今日、教会へ行くと言っていた。


「お嬢様!! どちらへ行かれるのですか!?」


「もちろん、あの場所へ行くわ! アレク様に何かあったのかも……。」


部屋を出ていこうとする私をメイが止める。


「お嬢様っ、落ち着いてくださいませ! 旦那様より王宮から出すなとご命令されております。どうぞこのままこちらにいてください。王都で何かあったかは、すぐに調べますので!」


「でも……。」


「お願いします! お嬢様に何かありましたら私が旦那様やアレク様に咎められてしまいます。」


メイが必死に止めるのを見て、大きく息を吐いて気持ちを落ち着かせた。


「メイ、ごめんなさい。私ったら気が動転してしまったわ。あなたの言う通り大人しくここにいるわ。ただ、何かあったのかは知りたいから報告だけはしてもらえる?」


「もちろんです!」







それから、メイが出て行って夜になっても戻ってくることはなかった。

いくらなんでも遅すぎる。

そろそろ部屋から出て誰かにメイを呼び出してもらおう。そう思っている時だった。


部屋の外がにわかに騒がしくなったと思ったらバンッと扉が乱暴に開けられた。

部屋に入ってきたのは怖い顔をしたアレクと彼の腕にはクララがしがみついていた。


「アレク様……。」



「ヴィクトリア・メイスフィールド。貴女をクララ嬢の殺害容疑で拘束させてもう。」


アレクのその言葉に目の前が暗くなるような気がした。




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