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秘魔の洞窟


 町から洞窟は結構近い。馬車や馬なんていらないほどの距離なのだ。小一時間もせず僕ら2人は洞窟の入口に着き、そこで高級魔光虫の袋をだして先に進む。こいつは買うと結構高いのだが、松明なんかよりも余程明るいし長持ちするのだ。


 その洞窟は最近モンスターがウロウロした痕跡が残って居て確かに、2人が引き込まれた可能性は高かった。アモンが嘘を言っていない事が確信に変わり、僕は狼狽えた。


 万が一アリーが酷いことをされていたら僕は耐えられるだろうか‥‥。そんな事を考えると徐々に早歩きになっていく。少し進むと早速雑魚モンスターが現れる。オークの亜種だったがこの程度なら僕の魔法剣で薙ぎ払うだけだ。


 ザシュ!ザシュ!


 と、サクサク片付けて先に進むといつまでたってもオークばかり出てくる。僕は物凄くいやな予感がしていた。

 その途端、いきなりゴーレムの群れがあらわれた。オークで油断していたらいきなりのゴーレムの群れで気が付いたら囲まれている。


「そうだ、こいつら嫌に巧妙なんだ‥‥俺は後ろをヤルから君は前を頼む」


 アモンが言う。


 巧妙なオークとゴーレムの群れ‥‥それが意味している所は僕の知る限り、ロードクラスのマジシャンが居るという事だった。最悪だ、今の僕は魔法の鎧なんて着ていない。魔法攻撃をくらったら一撃で転がる羽目になる。


 そんな事を心配しながらもサクサクと倒して前に進むと異常な光景が目に入る。巨大な、魔法の糸で包まれた何かが天井から沢山吊るされいるのだ。


「何だよこれ!」

「気持ち悪いな‥‥」


 僕はそれが何なのか確かめずには居られず、その一つの表面を魔法剣で撫でる。


 プツプツ‥‥と魔法の糸が切れてそこから出てきたのは飢えて今にも死にそうな冒険者だった。糸が切れてこちらに落ちてくる彼を担ぐ。


「うわぁ!!」

「待っていろ、今すぐに助けるからな!」


 僕は持っていた高級薬を飲ませようとポケットを探ると突然怒声がなる。


「お前たち!勝手なことをされると困るよ!」


 その声は洞窟の奥から響いてくるようだった。


 これは、間違い無く死霊系のモンスターだ。しかもかなり知能と階位の高い厄介な相手だった。そいつが余裕を見せてゆっくりとやってくる。


 骸骨の化け物だった。恐らく他のオークやゴーレムの群れを操っているのもこいつ‥‥だとしてら少なくともエルダーリッチか‥‥最上位のオーバーロードの可能性が高い。


 アモンが僕の顔をみてヤバい奴だと目配せする。分かっているさ‥‥いつもの事。


「私の食料を勝手に開封されるのは困るのだよ」

「だとしたら?」

「君たちは魔法使いでは無いのだろう?不味そうだね」

「そりゃ不味いだろう」

「そうだな、では生かしておく意味は無いここで死んでもらう」

「どうやって?」


 僕はなるべく会話を引き伸ばして何か手はないかと考えながらポケットをまさぐる。超高級万能薬の瓶が手に触って引き出す。


「そう、例えばレベル5デス(死)でどうかな?レベル50までの君たちは即死する」

「へえ、それは嬉しくないね」

「だろう、私もそう思う‥‥」


 奴が余裕を見せてニヤりとし油断したすきにその瓶を投げつける。


 ガシャーン!ジュー!!


「うがぁあああ!!」


 上手い具合に頭にヒットして瓶が割れて万能薬がそいつにかかり、叫び、頭を抱えて苦しんでいる。


「今だ!」


 アモンが叫びながら飛びかかる。


「レベル5デス(死)!」

「ぐぅ‥‥」


 バタン。アモンはギリギリ間に合わず即死魔法で死んでしまった。


「クソ!よくもやりやがったな」

「な‥‥に‥‥!何故死なない?!」

「黙れ骸骨野郎!」

「ではもう一度、レベル5デス!」


 僕は何とも無かった。


「それがどうしたんだ?」

「は?あ、いや、私は急用を思い出したのでこれで失礼するよ」


 骸骨は急に狼狽えて溶けた頭を抱えながら逃げ出そうとする。


「黄泉に返れ骸骨!武技、千斬光」


 ヅゴオオオオオオオオン……


 魔法剣から放たれる必殺の武技は灼熱の光で骸骨を焼きながら斬り払った。


「がぁあああ」


 ガッシャーン……


 骸骨はバラバラに成りながら砕け消滅した。


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