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私が発火と唱えると、隣の黒子がマッチを擦る

エルフが優しく微笑む横で、黒子はマネキン頭を揺らす

作者: モロコロス

 ある日、人間の歴史より古く生きてると評判のエルフ、その一人らしいハイエルフ「闇の女王」の噂が立った。出所はどうもまだ町に居座るゴム芸人らしい。そのハイエルフは過日私が対決した勇者の師匠らしい。勇者って誰だっけ。愛弟子の無様に、よし我が直接見てやるか、となったらしい。ゴム芸人がそれはもう偉そうに、これであの魔王も終わりだと街の酒場で宣言してボコボコにされたらしい。芸人だけに前フリは得意と見える。そんなエルフが人前に姿を現すのは極めて珍しいらしい。そして間もなくエルフが町に襲いかかるらしい。勇者の師匠が町を襲ってどうする。さらに明日は雪でも降るらしい。そうだね秋も終わりだねってまだ早い。


 そんな、らしいらしいの連続を姉から、街の広場で訓練中に聞いた私である。どうも。いちいちツッコむ面倒な転生者十歳だよ。自覚はある。そんなことより今日は広場に野次馬が居らず、姉の抱きつきが激しく息苦しい。姉の私推しが遂にデッドゾーン。姉の黒子が手を合わせ謝る中、優しく姉の手を外そうと頑張り続ける私の黒子だった。ちょっと姉、無意識に抵抗しないで。


「闇の女王ってどんな人です?」

「私も知らない」


 結局まだ抱きしめられていて諦め、いや悟りの心持ちな私ミャーリと、私が白目を剥きそうになって慌てて力を緩めつつ、抱きしめた私に満面の笑みを浮かべる姉ティヤーリは、お互いに顔を見合わせ首を傾けた。街の大人も目につかないので聞いてみようにも相手がいない。広場に知ってる顔の大人は居ない。父は仕事の筈。母は前回の賭博が領主様に見つかって大目玉、慈善活動という名の強制労働中である。毎晩遅くに死んだ魚の目をして帰ってきて、夜明けとともに出かける母を見て涙する私と姉、何とも言えない顔をする父である。


 しかしよく大目玉や強制労働で済んだなと思う私。いや捕まっちまえと思ってたけど。いまや三千人以上の黒子を動員する魔力持ちな私、そんな幼き魔王を怒らせては不味いと領主様も下手な罰を与えられず困ったとは、父から聞いた話。こうして悪は栄えるのだな。


 母の話はともかくだ。エルフなんて言われてもどうしていいかわからない。放っておくことにしよう。芸人に聞くのは最後の手段だとその場で結論づけ、練習も終わったので家に帰った二人を待ち構えていたのは、マネキンだった。


 もう一度言う。マネキン、だった。


 男のマネキン。洋服着てない素のマネキン。裸の男性の全体像に腰から棒が台まで伸びてる奴。ポーズ取ってくれるモデルの人の方じゃなくて、デパートとかスーパーとか洋品店に置いてある物の方。しつこいか。


 玄関開けて走れば五秒なテーブルに座る父の斜め前にマネキンがいた、というかあった。あと走らないって姉に怒られた。


 髪の毛は緑色に塗りたくられ、所々はみ出ていたり逆に塗りが足りなくて元の髪色の茶色が見える。耳は削られて尖ってて。そんな裸の男マネキン。


 加えて、恰好こそ黒子だが頭巾をしてない中年の優男が、マネキンの傍、つまり父の前に座っていた。マネキンに似た緑色のカツラを被っていて、全体の違和感が凄い。テーブルにはお茶とお茶請けとして、小椀に「魔王っ子まんじゅう」がいくつか。


 そしてマネキンを見知らぬ五人の黒子が支えていた。なぜ五人がかり。


 五人も他人の黒子が居れば、只でさえ狭い部屋が更に狭くなる。更に私に憑く黒子チームも警戒して多めに張り付いていて、部屋に満ちる圧迫感、具体的には人数。幼少期トラウマが刺激される私。


「おかえり、ティヤーリ、ミャーリ。こちらエルフの『光の主』さんだ」


 そんな私だけの葛藤には気付かず、疲れた顔のままエルフを紹介する父だった。父の言葉にあわせ手を上げて微笑む、恰好こそ黒子だが頭巾をしてない緑のカツラの中年の優男。面倒だな描写が。五人の黒子の一人が手旗信号のようにマネキンの右手を上げて下ろした。


「こんにちは!私ティヤーリ!エルフの人と会うの初めてです!」


 姉はなぜかマネキンに一礼して話かけた。マネキンが口答えするわけがなく、答えたのは椅子に座る頭巾の無い黒子衣装の緑のカツラ男だ。半分黒子と呼ぶべきか緑カツラと呼ぶべきか悩む。


「こんにちはティヤーリ、私らエルフはそんなに里から出ないんだよね。歩くの面倒だからね」


 そりゃマネキン持ち歩いてたら面倒だろう、と思う私のツッコミは口の中で消えた。


 姉はへえ、とか曖昧に返事をしてマネキンを見つめ、顔を赤らめた。マネキンだけにイケメンだからか。父もおもしろくなさそうな顔をして、やっぱりマネキンを見つめる。姉も父もマネキンばかり見て、椅子に座る半分黒子には目もくれない。二人共緑カツラの存在を認識していない。むしろマネキンを自分だと認識させてる分、普通の黒子より高度な事してないかな、この緑カツラ。よし緑カツラでいこう。服か?それともカツラ?今度黒子に服全部脱げと命じて実験しようかな。


 改めて黒子と世界の秘密にブクブク沈んでいく私を置いて、父と姉はマネキンと会話を続けた。私は緑カツラのカツラやちょっと古びた黒子衣装を観察し、どこにも頭巾が落ちて無い事を確かめたり、と全然話を聞いてなかった。あとマネキンを動かすだけで黒子五人は多すぎだろう。三人程暇そうにしているのでじっと睨んでいると、私の視線に慌てだした黒子達がマネキンの埃を払ったり、頭を少しずらしたり、左手を不必要に動かしたり、動きがどんどん怪しくなっていくマネキン。おもしろくなってきた私。いや、マネキンの奇妙な暴走はおいといて。


「つまり、『闇の女王』を名乗るエルフが、本当に、明日あたりに来ると」

「エルフじゃなくて、ハイエルフね」


 ようやく現実に戻ってきた私に聞こえた会話は先ほどの噂と同じだった。黒子がマネキンの首を傾け、座ってる緑カツラがお茶を啜って答えた。動きがずれてるぞ。


「あの子はね、エルフの宿命を嫌がってね。自由に生きたいと里を出た子なんだね」

「あの子?」

「宿命、つまり永遠の体を捨ててね、エルフの身なりも捨てて、外で生きると決めた子だね」

「永遠の体?身なり?」


 私は二回とも、緑カツラの方を向いて問いかけたのだが、緑カツラは私を無視し続けた。仕方がないのでマネキンの方を向いて「永遠の体?」ともう一度聞くと、やっとカツラが私の方を向いた。厳密な手順を要求するエルフ、いや緑のカツラ。


「私らエルフは永遠を生きる優れもんでね。その宿命、つまり永遠を保つ体が私らの全てだけどね。それ捨てて自由を選ぶアホがいるんだよね。それを、ハイになるって私らは呼んでてね、永遠の体を捨て、自由を選んだ頭の悪いエルフをハイなエルフ、ハイエルフって言うね」


 ふむふむ、とマネキンを見ながら頷く父と姉。釈然としない私。


「あの子は魔力が強くてね、永遠の体はそりゃあ綺麗で、女王なんて言われてたけどね。永遠の体など不要、私は自由に、全てを捨てて何にも縛られずに生きるって、ある日頭がハイなエルフになったんだね」

「それが私にどう関係を?」


 不思議に思う私。自由に生きて、私にも関わらずに気ままに暮らしていけばいいじゃないか。


「そりゃ魔力だけが売りの高慢ちきなハイエルフだからね。有り余るほどの魔力を身に纏う、幼き魔王と聞けばアホなあの子はこう考えるね、よし勝負だってね」

「面倒な」

「まあアホを極めてハイだからね。もう正直我々には関係なくてね。自由で気ままでハイなエルフに、人間の子供が勝とうが負けようが知らないけどね。籤で負けて泣く泣く来たんだよね。ていうか我々もあの子も相手にならんよね、凄いねミャーリ」

「そうよ、私の妹、ミャーリはとっても凄いのよ!」


 自慢げに私を抱き寄せる姉。普段なら抱きしめて立ち上がり三歩後ろに下がってくるくる回る、までが定番コースだが、今日は黒子のせいで部屋が手狭だ。回るとぶつかるため、無意識に遠慮した様子。常人も認識してないだけで無意識下ではちゃんと見えてるのだ。謎の一つでもある。

 

「そうだね凄いね。あの子の事も任せていいね」


 そうやって私と姉を見て笑う緑カツラ。姉が、父すらマネキンを見て顔を赤くしているが、なぜ私が対応を任されなくてはならないのか、意味が分からない。


「もうミャーリにお願いするね。それが一番楽だね」

「嫌です。貴方そのために来たんじゃないんですか?」

「あの子、迷惑にもハイエルフってわざわざ名乗っててね」

「話を聞いてください」

「いやね。里にさえ迷惑かけなきゃ人間なんかどうでもいいねって、こっちが言ってもね。わざわざ『我が名はハイエルフ、闇の女王』とか名乗って人間相手に暴れてね、馬鹿だね、さすがアホでハイなエルフだね。とにかく面倒でね。エルフ全体の罪って勘違いされたらどうするんだって話でね。早く野垂れ死ねばいいのにね。私もそんなアホの兄ってことで肩身が狭くてね。あの籤、イカサマだよね。多分ね」


 「いやね」が接続詞ではなく「嫌だね」のイントネーション。爽やかに私を無視して自分の都合を勝手に喋る緑カツラ。マネキンの手を無理やり動かし、マネキンの頬をかかせる黒子。言ってる内容にもめげず、爽やかイメージにぼうっとする姉と父。魅了でも持ってんのかこのカツラマネキン、と怪しむ私。


「こんな田舎までわざわざね。里に迷惑かけるアホをここで殺っちまえ、なんて里の連中に言われてね、嫌だよね面倒くさいね。けどミャーリがなんとかしてくれるって偉いね。よかったね」


 首を横に振り続ける私を無視し話を続ける学名エルフ和名ミドリカツラマネキン。傲慢エルフを完全に体現してるからなお前、と毒を吐いても、結局無視されっぱなしの私である。ムカつく。


「捕まえたら処分は任せるね。アホでもそれなりに魔力は多いから便利だね。別に殺っても最悪肥料にはなるね。いい取引だね。里に連れ帰っても縊り殺しとか面倒でね、殺るの結局私でね、後片付けもね。本当に手間だね。だからここで殺れって話だけどね、結局私の面倒変わらないっていうね。ひどいね。本当あのアホ早く死ねってね。そういうことでね。よかったね。じゃあね」


 ボウッとマネキンを見る父と姉、憤慨する私を気にせず立ち上がる緑のカツラ。マネキン付きの黒子達を残し、緑カツラな半分黒子衣装の優男は家を出て行った。置いかれた黒子達とマネキンを見つめる私。


 数秒の静寂の後正気に戻ったか、黒子が三人、慌ててマネキンを抱え、扉やら壁にゴツンゴツンとマネキンが当たろうが気にせず、後を追って我が家から退場する。後に続く一人。そして最後の一人は、残っていた「魔王っこまんじゅう」を袖にしまってから、私に一礼して家を出て行った。


 意味がわからない。異文化コミュニケーションの難しさに心から疲れた私たちだった。


 その後、父も慌てて出て行ったと思ったら領主様に相談していたらしい。強制労働を中断して同じく領主様の所にいた母を連れて父は夜に帰ってきた。姉の作った手料理を久しぶりに四人で食べられたので、幸せな私である。人間万事塞翁が馬って本当だと思う。


 父と母と姉と私で楽しく食事を済ませたあと、黒子に洗い物をお願いする。自然系食器用洗剤と水の入ったポリタンクを持ち、黙って台所に消える二人の黒子。いつもありがと、と私は声をかけた。こういう普段からの感謝って大事。


 黒子からテーブルに目を戻すと、何とも言えない顔をした父と笑顔の母が用件を切り出した。


「今日のエルフの件でね、対応がミャーリちゃんに一任されたんだ」

「ミャーリなら大丈夫って」

「すごい!ミャーリってば街の代表なのね!」


 領主の命令を伝える父、頑張って、と母。素直に喜ぶ姉。一任とはエルフに毒されたか領主様。


 それなりに適切な対応ではある。何せ数千人の黒子を用い各国各地を視察偵察させている私なのだ。領主様や国の情報網など軽く超える一大黒子ネットワークがエルフに気づかないわけがない。「ハイエルフと名乗る変人が各地で暴れている」「マネキンを黒子に担がせた、緑のカツラが街に向かっている」程度の情報は既に私に渡されていたし、私が今まで放置していたからには大した話ではない、と親も領主も思っているに違いない。


 異世界にも頭の残念な人がいるものだなって、報告読んでたけど忘れてた、とは言い出せない私。何故あんな危険物のことを教えてくれなかったんだ、と問い詰める私に先月の報告書と昨日の報告書の該当行を指差し手渡す黒子にごめんなさいと大謝りに謝ったのが先ほどだ。謝ったけど私は悪くない。どうせまた芸人だと思ったんだよ。芸人が悪いんだ。私はそっと黒子から目を逸らしたのである。


 それはともかく。私に一任する領主の言い分も結構ムカつくのだ。


 曰く、ハイだかなんだか知らないが、エルフが来るのはミャーリちゃんに会いにくるんでしょう?ていうかね、そもそも勇者が来たのもドラゴンが来たのも魔獣狩りで周囲から魔物がいなくなったのも、おかげで街に人が増えて税収も増えたけど面倒が上回る勢いで増えてるのも、すべてミャーリちゃんのせい、いやおかげ。だからミャーリちゃん一家で何とかしてね、いやくださいお願いします。所詮片田舎の領主なんてそんな頭も良くないし、ミャーリちゃんが居るからって衛兵とかあんまり用意してないし。あとエルフ、生け捕りにしてくれた方がうれしいな。肥料は勿体ないよ。


 領主様は、胃の辺りをわざわざ見せつけるように擦りながらそう仰ったんだよ、と父は言った。


 それを聞いて、すいませんいつもご迷惑お掛けしてます頑張ります、などと素直に従うわけがあるか。ふざけるな。大人の責任放棄で割を食うのは何時だって子供だ。納得出来ん。と当然私はゴネた。肝心な時に私に丸投げする大人が多すぎる。あと衛兵もちゃんと用意しろ。


 そう憤る私を母は優しく抱き締め、頭を撫でながらミャーリは凄いから大丈夫よ、と慰めてくれた。子供を信頼する素晴らしき母である。なお黒子情報ネットワークによると、強制労働、つまり街の教会の清掃業務を明日から免除する代わり、私がハイエルフとやらの駆除業務を受諾するべく説得する、という司法取引は母から領主にもちかけられたもの。とてもそうは思えない笑顔。やっぱ演技うまいな母。さすが突発的に胴元が出来る詐欺師もとい頭脳派だ。


 結局親、寧ろ母には勝てない十歳児である私は依頼に首肯する他なく、はいはい、とだけ言って拗ねて寝ることにした。母は笑顔、父は何とも言えない顔をして、姉はそんな私に添い寝してくれた。優しい姉だ。いや母だって優しくてよき母なのだ。強制労働を中断するのも、母に代わってご飯の用意をする姉や父を見かねてのことで。やはり家族の分断を企む領主が私の敵に違いない。父には苦労してもらおうか。


「きたぞ〜!なんか来たぞ〜!闇っぽいぞ〜!」

「お前か、お前が魔王っ子か!」


 ともあれ次の日の朝準備を済ませて、いつもの通りに元街の外れ現街の広場兼私専用の果し合いスペースで、「闇の女王」とやらを待ち構える私である。襲来を叫ぶ街の人、私に向かって叫ぶ、やっと出た「闇の女王」。


 姉の感想がわかりやすかった。


「あの人?なんだか黒っぽい、虫?みたいなうねうね動くのに包まれてよく見えないんだけど」

「そう見えるんですか。確かに闇っぽいですね」

「なんだか気持ち悪いわ。本当に『光の主』さんの言う通り、綺麗な人なんだけど」

「確かに、顔は綺麗ですね」

「ミャーリにはどう見えるの?」

「どうって」


 私から見えない位置から、つまり現在の街外れからこの街の広場の入り口まで、約三百人の私の黒子が街道沿いに長い角材を持って並んで「闇の女王」とその黒子に角材を向けている筈だ。通行規制と街の広場までの案内により、「闇の女王」と黒子たちは角材に軽く突かれつつ他人に迷惑をかけずに広場に辿り着き、街の広場のど真ん中に立つ私を見ている。交通整理の誘導棒を持っているのは私の黒子達。本日はエルフの力を警戒して広場の観戦スペースを規制している。「闇の女王」からみて私の背後には壁しかあるまい。黒子も背後に立つなと伝えているし、私から見てもそうだろう。


 一方私が見た「闇の女王」。広場の同じく中央に、十人の黒子がぐるぐると円を描くように回っていて、その黒子の中心には、若い全裸の男性が立っていた。


 若い男。男性。全裸。ふるもんてぃ。


 報告書から全裸は知ってたが男性は予想してなかった。黒子もネタバレとか気にしてるんだって違う。気にしないで頂きたい私。後で全員に伝達しないと。「闇の女王」の黒子が身を隠す闇だかタライだかお椀として頑張ってるんだろうが、私から見れば黒子は黒子、隙間から彼の色んなものがよく見えてしまう。目を伏せるしかない。だって目を上げたら見えちゃう。


「男の人ですね」

「ええ?男なの?確かに声は凄い低いけど」


 驚く姉ティヤーリの声が広場に響くと、驚く事に三割程度の野次馬がそのまま帰りだした。


「なんだ男だって?」

「全裸美人だって聞いたのによお」

「あの勇者シメるかあ」


 エロ河童どもめ。勇者も女性と勘違いしていたのだろうか。寧ろ帰りたいのは私だぞ。


「なぜ私に挑戦するのは芸人やこの変態とか変なのばかりなのでしょうか」

「はははか!闇の女王を前にして言うのか、貴様なのか!」


 変態が私の声に反応する。黙れ変態。私は何とか彼の姿を見ないで話を続けようとする。難しい。


「名前もそうですが、女性だって『光の主』さんにも言われてたんですが」

「渡された永遠の体が女性でか!誤解か!あのクソ兄貴か!」

「ああ、そういうことですか」


 女性マネキン渡されたのね。あの緑カツラ男に。きれいだね、いいよねってね。


「もういいか!男も女も関係ないか!我は我として自由に生きたいのか!綺麗ならそれでいいじゃないか!あんな永遠の体に縛られる必要はないのか!我は今、自由か!」

「はあ、それは、おめでとうございます」


 エルフと絶縁したくなる私。そもそも絶縁してもこれか。元から断った方がいいか。あ、移ったか。


「この膨大な魔力か!確かにか!街の入り口から凄まじい力は貴様か!流石か!勝負するか!」

「その口調どうにかしてほしいんですが」

「無理か!いいじゃないか!幼き頃からか!苦労か!努力か!」

「全て捨てる割に頑張って口調の一つ変えられないとは」


 「闇の女王」の顔が赤くなったわよ、と姉に言われた私。うまく口撃がヒット。先制だ。


「この恐るべき魔王か!魔力の強さか!エルフか!負けないか!」

「誰でも分かる真実一つで恐るべき魔王とか片腹痛いです」


 「闇の女王」の顔がもう真っ赤よ、あとあんまり人の事あげつらうのは良くないわ、と叱る姉。ごめんなさいと謝る私。なぜ姉が状況を説明するのかといえば、顔を背けているからの私。黒子の弊害。見えすぎちゃって困る。


「うるさいか!仕方ないか!ハイエルフ闇の女王か!いくか!」


 そう叫ぶ「闇の女王」。そろそろ勝負開始だろうか。顔を上げる。恥ずかしさは我慢だ。


 「闇の女王」の十人の黒子の一人が周回から外れ、脇に抱えた武器を「闇の女王」に渡した。朝一の報告書を読んで彼らの獲物は承知している。まあ巫山戯た一族だが、魔力の本質には精通しているらしい。


 「闇の女王」は、ゆっくりとクロスボウを構えた。周回を止める黒子。動かぬ私に息をのむ、姉と規制線手前の野次馬達。「闇の女王」は、ニヤと笑ってクロスボウを撃った。十メートル程の距離だ、大してずれもせず、クロスボウの矢は命中。広場中から驚きの声と悲鳴が上がる。ゆっくりと周回を再開する黒子たち。クロスボウを下ろす「闇の女王」。


 隣の姉が悲鳴を上げて慌てて広場中央に駆け寄ろうとするので、私の黒子が姉を止めた。


「きゃああああ!ミャーリ!ミャーリ!」

「落ち着いて下さい姉様、私は大丈夫ですから」

「ミャーリ!ミャーリが!ミャーリが撃たれたのよミャーリ!あれ?」


 不思議な顔をして私の声を聞く姉。私と姉の会話に驚く「闇の女王」。


「うそか!胸を貫かれてか!なぜ生きているか!まさか真実魔王か!貴様なのか!」

「カーカーうるさいです変態カラス」


 叫ぶ「闇の女王」に雑な返事をした私が上げた右手を振り下ろし、ついでにこれ以上見たくないので顔も伏せる。「闇の女王」の後ろで控えていた私の黒子が数十人がかりで襲いかかったようだ。黒子達が手に持つは鉄パイプだが、あの鉄パイプで一撃されると下手しなくても死ぬ。あくまで安全策。あと相手の黒子避け。鉄パイプ振り回せば黒子はどくから。


 飛び道具を使われると自分だけではなく黒子や周囲まで危なくなる。自分や街の人、姉に被害が及びそうなら躊躇わず殺れ、と伝えている私だが、今回そこまでする必要が無くてよかった。相手の黒子がいきなりクロスボウで急襲、というパターンが一番怖かったし、クロスボウを抱えた黒子はいつでも殺れた。具体的には先の尖った鉄パイプを持つ黒子が周回する黒子の周りをうろついていた。けど使わなくてよかった。


 相手の黒子を鉄パイプや角材で牽制しつつ、次の矢を(つが)えることもせず驚いている「闇の女王」からクロスボウを奪い、黒子が四人がかりでそれぞれ首、両手、腰を抑え込んで、もう一人が荷造りの紐でぐるぐる巻きにしている筈。認識してないから捕縛も楽だが念のため四人がかりが鉄則。戦いの基本は数です。そして俯きつつ現状を想像するだけの私。


 肩越しの黒子の合図で顔をやっと上げた私の目に入ってくるのは、痛みと羞恥に悶え、うつ伏せになって急所こそ隠しつつ、小奇麗な尻を広場で大公開中な、ふん縛られた全裸男性だった。よかった、もう見えてない。


 「闇の女王」さえ確保してしまえば残りの黒子は大人しくなり立ち止まる。私の黒子チームに首根っこ掴まれて広場の隅に連れていかれ、正座で座らされる「闇の女王」の黒子たち。後で説教だな。こんな変態を増長させた罪は重い。私のチームでゆっくり揉んでやろう。


 ゆっくりと黒子におんぶされ、もう一人の黒子と街の広場の真ん中に向かう私。街の広場の真ん中に倒れている、「魔王っ子ミャーリ」と油性マジックで書かれた身代わりの木材、黒子に見繕わせた適当な板。板の真ん中には矢が一本刺さっていた、その板を、もう一人の黒子に掲げてもらう。


 さて、私は全裸でうつ伏せな「闇の女王」に振り返った。やっと私の舞台が始まる。


「エルフって本当に魔力に精通していますね。魔法使いの弱点にも詳しい。確かに矢や石などの飛び道具は私たち魔法使いには結構危険なんですよね」


 人力魔法世界では人間は矢を避けられない。矢より速く動けないし、矢をゆっくり飛ばすのは無理。射る前なら黒子に頼んで素早く取り上げることも可能だが、私や黒子が射手を見逃せばアウト、黒子も反応できず私は死ぬ。ホームセンターの道具で矢を防ぐのも難しい。防弾チョッキ売ってないし。私だけなら黒子数人で大きめの鉄板などを何枚か重ねて持たせる手もあるが、視界が防がれるし、所詮一方向からの攻撃しか防げない。何より私は、黒子に当たるのが心配だ。数が減るから。黒子を盾にも使わない。隙間を抜かれたら元も子もない上、黒子が勝手に避けちゃうかもしれないし。まあそれに、ウチの黒子は大事だ。


 そういや魔物に矢を使う事はないな、どうしてだろうか。まあぬいぐるみに刺さっても意味ないからかな。誤射で黒子に当たったらどうなるんだろう。魔物退治でも黒子の死体とか見たこと無いな。それは後で考えよう。


 おんぶされた私は顔の前に一本指を立てる。黒子が周囲を二歩、三歩と歩いてはターンし始める。ついてくる、板を掲げたもう一人の黒子。ふふふ。名探偵っぽい私である。


「傲慢でハイなエルフが私と魔力対決だと思ってましたが、『光の主』が魔力を測れたようなので、魔力の実力差はエルフの方なら既に承知だと思ったのです」


 私は広場の真ん中で、街の入口の方を向いた。皆に聞こえるように「闇の女王」に説明する。


「ですから、貴方は魔力対決するつもりではなく、手段を問わず私を倒すために来たと推測しました。油断を誘ってでしょうか。私がこの街を出るつもりが無いと知っての事だと思います。その口調も罠ですか?」


 そう考えると「光の主」も怪しいなあ、と思う私。口調とかあの子アホ説とか無理やり相手を押し付けるとか。あと私がこの街を出ない理由は単純で、飛び道具の暗殺を防ぐ手段が無いからである。


 この街では既に弓矢の供給ルートから現在の使用者、街に来る者の荷物チェック、私に石を投げられる距離や位置は全て黒子が二十四時間監視してるし、何なら弓を扱える人間の後ろで、常時鉄パイプ持って控えてくれてる黒子がいる。安全だ。改めて考えるとかなりビビリな私。


 おんぶされた私と黒子、そして板を掲げた黒子は周囲や、奥で正座している黒子たちを見ながら、二歩ゆっくり歩いては振り返り、三歩ゆっくり歩いては振り返り。私は顔の前に立てた一本指を下ろさない。名探偵ばりに説明しているが、辺りが少し煩い。しかし目を向けてはならない。おんぶしてくれる黒子と板を掲げた黒子の位置取り、これから言う台詞、どれも大事だ。このアピールが大事なのだ、ガンバレ私。


「それこそ闇夜に隠れて殺ればいいものを、わざわざ大手を振って来たのは、エルフのプライドですか。魔力の本質に精通してると。それか誰かへのアピールですか。闇を纏い弓で狙う闇のエルフにしては不自然ですね」


 大事なのはこっからだよ。今回こんな面倒な事した理由だからね。


「私も面倒なのでアピールすることにしました。今ご覧になったように、私に矢は効きません。貴方の知ってる魔力の本質、私はあなた方より深く理解しており、既に飛び道具などの弱点も克服しています」


 本当はビビってるけど。


 相手の獲物を報告書であらためて読んで、ふと気づいた私である。クロスボウを撃たせる前に倒すのは不味いと。逆に「弓矢にビビってる」アピールになりかねないと。飛び道具の可能性が広がると、今後私の周囲に飛び道具を持った挑戦者や暗殺者が増えてしまう、と。それは怖い。


「今も見ればわかるでしょう。私は矢を克服しています。貴方がクロスボウで私を狙ってくることも知っていた。しかしそれに意味は無いのです。魔力の本質を理解する私には、たとえエルフと言えど私を倒す事はできません」


 エルフに出会えなければ今回の「身代わりの術」大作戦も思いつかず、それでも撃たれる前に倒すしか無かっただろう。しかし今や私にはエルフからパクった、もとい学習した「身代わり」の術がある。周囲の姉や野次馬、それに「闇の女王」には、「弓が胸に刺さったまま、悠々と歩き名探偵ポーズをとる私」が今も見えている筈だ。


 弓矢への対処は怠らず、弓矢は無駄だぞ、とアピールし、出来るだけ相手の行動に干渉する。出来れば飛び道具以外の方法を考えさせたい、爆殺とか。黒子が爆弾持って街に入って来る方が、発見しやすく対処しやすいんだよね。それに矢だと、誤射やら巻き添えで私の周囲に被害者が出るから。


 私は黒子から降りた。もう一人の黒子が掲げていた板を脇に抱え直し、私をおんぶしてくれた黒子と一緒に広場の脇に戻っていく。「私の胸に刺さった矢が消えた」と周囲には見える筈。その後私はもう一度声を上げた。


「というわけで『闇の女王』、クロスボウで私を狙うなど、予想内の詰まらない戦略が貴方の敗因です」


 そして振り向き人差し指を「闇の女王」に向け、最後の言葉を紡ぐ名探偵な私である。格好いい。赤い顔で脂汗流した全裸男性が、私の人差し指に向こうで、向こうに、そもそも変態がそこに居なかった。


 あれ?


 誰もいない広場真ん中を指さしてポーズしたまま硬直する私。


「ミャーリ、あの人気絶したから衛兵さんが連れてったわよ」


 首を傾げた私に駆け寄ってきた姉がそう告げて、私の人差し指を手で押さえる。


「あと、人様を指差すのはダメよ」

「はい、ごめんなさい姉様」


 反射的に素直に答える私。姉が説明してくれる。


 首まわりをきつく縛り上げ過ぎたか、「闇の女王」は私の演説が始まった直後に赤い顔のまま白目剥いて動かなくなったとか。私が朗々と壁やら空をみて説明している中、野次馬やら姉が声をかけてくれたそうだが、気づかず説明を続ける私に姉も駆け寄ろうとしたのだが、業を煮やした衛兵がさっさと変態を脇に抱えて退場していたらしい。気づかなかった。本当に気づかなかった。


 姉も周りに「魔王っ子の好きにさせてやろうぜ」て言われて納得したとか。そこは是非とも止めていただきたかったです姉様。


 赤い顔は自覚しているが、見回すと野次馬が暖かい拍手をしてくれていた。いたたまれなくなる私。なにこれ。気づかなすぎでしょ私。役に没頭だか緊張し過ぎでしょ私。うひゃあ、と両手を顔で隠して崩れ落ちる私が、最終的に解散の合図になった。


 野次馬達は「すげえなミャーリ」「役者もいけるぜ」「ファンがまた増えるな」など会話しつつ()けていくがダメ今日の事は誰にも話してはならぬ!


「いや本当に凄いねミャーリ。ハイなエルフも瞬☆殺!だね」


 野次馬が広場から離れるのを止めて何とか頼み込もう、ダメなら土下座しようと顔を上げた私が見たのは、近づいてくるマネキンを抱えた黒子と緑カツラの優男。言い方。


 仕方なく、私は赤い顔を手で叩いて立ち上がった。諦めたとも言う。うん。この人数全部黒子で口止めは無理だし、殺ったら街の人口が大きく変わってしまう。目の前の屑をまず片付けよう。後にしよう。


「帰ったんじゃないんですか」

「よく考えたらいい暇つぶしだと思ってね。せっかくこんな田舎来たからね」

「心配とか無いですよね確かに」

「そうだね。心配はしてないね。どうでもいいね」


 爽やかな笑顔を見せる屑。ポッとする姉。まわりで角材を振りかざす黒子。敵扱いだし。マネキンを抱える黒子達は角材にガチビビリだけど、緑カツラは気にもとめていなかった。やっぱ黒子自体は見えてないのか。


 と、そういえばだね、と屑。


「ミャーリはエルフの魔法が使えるね?」

「何の事って、あ、『身代わり』のことですか?」

「名前は知らないけど、永遠の体を保つ魔法だね。私ら以外で使う人初めて見たからね」


 そうそう、私もビックリですよ。朝実験したら出来ちゃったっていう。それでプランが固まった。


「お兄さんのその緑のカツラと『身なり』が、永遠の体の秘密でしょう」

「緑のカツラが何言ってるかわからないけどね、多分当たりだね」


 板に書かれた「魔王っ子ミャーリ」の名が、板と私との繋がりを示す。屑エルフが緑のカツラでマネキンとの繋がりを示しているのと同じだ。あとは黒子の衣装で本人が隠れれば、周囲は「認識できないけど存在する本人」ではなく「その人を示す何か」をその人だと誤認識する世界のバグだか、仕様なんだと私は理解した。エルフが存在してるからには仕様かな。緑カツラが頭巾を被ってない理由は、存在自体は認識してもらうための不完全さ、と推測する。やっぱ人力使うだけあって世界のシステムが雑、と思っても言わない、大人な私。


 だから私は黒子におんぶしてもらい存在を消した。見えてるけれど見えてない状態。姉は、離れた広場の真ん中に立てかけられた板を私ミャーリだと認識しつつ、黒子の背中で喋る私と会話していた。離れた場所で会話できる魔法を使っているんだと思ってたらしい。個人の認識で色々挙動が変わるなんてやっぱ雑。あと今思い至ったが、「闇の女王」が私の名前把握してなかったら失敗してた。「魔王っ子」て名前、役に立ったな多分、生まれて初めて。


「私らエルフは触媒を用いて永遠の体に乗り移るんだね。元の体も別に生きているからそのうち死ぬけどね。すると別の誰かがまた永遠の体に乗り移るんだね。だからずっと生きてることになるんだね」


 乗り移ってないぞ、普通に居るぞ。乗り移ったつもりで、魔力の黒子たちが頑張ってるだけだぞ。


「すごいね。そのうちミャーリをエルフに招待するからね」

「嫌です」

「年の近い男の子見繕っとくからね」

「要りません」

「どんなのがタイプだね?」

「いいから聞けよ!」


 私はついに叫んで緑カツラ本体の腹を叩く、胸や肩じゃないのは背丈の差。緑カツラは不思議そうに私を見下ろした。


「不思議だね。ミャーリの言葉は心に直接響くね」


 不思議じゃない言葉じゃない文字通り直接だよ。もうなんだよ、早く帰れよこのカツラエルフ。思わず本音が漏れる私。


「それじゃ本当に帰るけどね。あのアホ、どうしようね?」

「引き取ります?いいですよ?弟なんでしょ?男だって言ってくれてもよかったのに」

「あの子は女王だね。永遠の体こそ我が身だからね」

「じゃあどっちでもいいから引き取ってください」

「面倒だね。ハイになったらそれまでなんだよね」


 お前それ言いたいだけちゃうんか、という言葉は私の口の中で消えた。


「任せるね。最悪肥料にはなるよね。いい取引だね」

「取引ですら無いですが。領主様と相談ですね」

「生かしとくもいいね。いやクロスボウとかビックリだね。人間の世界で変な勉強したよねあのアホね」

「お兄さんの差し金ではないんですか?」

「私らエルフだからね。どうでもいいんだよね。大事なのは永遠の体だけってね」


 それじゃね、演技力もなかなかだね。最後にそう言って屑な緑カツラが手を上げて、マネキンを抱えた五人の黒子も頑張ってマネキンの手を手旗信号みたいに素早く上げ下げして、それから街の広場を出て行った。エルフの里に帰れ。二度と来るな、と本音で叫ぶ私だった。


 その後、全裸の変態男性「闇の女王」は手当てされて領主屋敷の牢獄にぶち込まれた。変態に憑いてた黒子十人は私が奪いというか借りて、代わりに私の優秀な黒子を一人憑けた。その黒子は、語尾に「か」をつける度に変態をビンタする矯正じゃねえや、「強制」の魔法である。もう魔法でも何でもない。


 女性じゃなくて残念だったか、領主様はその処遇まで私に一任したかった様だが「領主様なんか大嫌い!」と子供らしくあざとい私の嘘泣きで陥落した。ミャーリちゃんごめんね。領主様自分でちゃんと自分で何とかするからね、って慌てだしたので、泣きまね後抱きついた母の胸元でニヤリとする私、それを姉が慰め、父は何とも言えない顔をし、母は小声で「もうちょっと、こう」なんて演技指導してくれた。やはりやさしい母。この手の演技なら素で出来る。遺伝だな。


 街の発展に尽くす私こと魔王から見放されれば未来が無い事くらい理解できるだろう、これも政治だガンバレ領主様、主に私と私の家族のために。着々と悪の首領を歩む私。


 そう言えば、芸人タケヒコ、そういや芸人じゃなかったね、元勇者だったね、アイツも師匠の来襲でどう動くか分からなくて、明け方に黒子チームを派遣、宿屋を強襲してふん縛ってぶち込んでおいたんだっけ。罪状は適当だ。牢獄とはいえ、無事師弟で再会できたのは全て私のおかげです。後でお礼貰いにいくか。


 色々話を逸らして、さっきの大見得、ささっと忘れてしまいたい、皆様にも早急に忘れてほしい私である。んー異世界まで来て黒歴史。


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― 新着の感想 ―
[一言] ハイエルフの基準が頭がハイになってるエルフとは… とほほな世界観ですよね。 まあ、廃エルフと呼ばれないだけましか? (≧∇≦)/
[一言] 続きキボンヌ(死語
[一言] 黒子シリーズ最高です! 続編待ってます!
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