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それから間もない、私が高校三年の夏。


母は家を出て、一月ほど帰ってきませんでした。


小さな家出は多々ありましたし、幼いころは私も連れていったりしていたみたいで。


でも、このときは妹二人も、私も残されました。


私はほぼ大人です、でも妹たちはどちらも小学生。

末っ子は泣きじゃくって、真ん中の子は神妙な面持ちで無言でいました。


二人は私に、「どこにもいかないよね…?」と震える声で尋ねて…


ああ、この子たちは私を必要としてくれているんだ。

ぼんやりしてないで、この子たちを守らなきゃ。


この時、そう誓いました。


母親にそうきつくは当たられない妹たちに、どろどろした感情を覚えたことはあります。

表面上は姉として接しても、心の中の羨望が邪魔をする時もありました。

それが憎悪にかわるときも…ありました(すみません…今思うと大人げなさすぎだ)。


だけどこのとき妹たちにしがみつかれたことで、私を必要としてくれるこの子たちがいる…。なら私はまだ、ここに存在してもいいんだ…と思うことができるようになって。


救われたんです。

小さな、彼女たちに。


…妹たちは、それからも度々私を支えてくれました。


母から責め立てられたときも、お姉ちゃんは悪くないよ、お母さん機嫌が悪いだけだよ、だから大丈夫だよ。

気をつけて試験行ってきてね、と、何度も励ましてくれたり、手作りのお守りをくれたり。


…今も、持っています。

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