前へ目次 次へ PR 3/20 3 「どうして生まれてきたの?」 「どうしてあんたに流れる血は全部私のものじゃないの?」 「あんたなんか見たくない、早くいなくなって」 怒鳴った数時間後には、母は優しい表情で、怒って悪かったね、と慰めてくれたりすることも多かったです。 「私のことをわかってくれるのは、あんただけなの」 「ねえ、あんたはこの家に染まらないでね」 すがるように声に出した母を、当時の私は困惑しながら眺めるだけだった気がします。 …強く、抱きしめればよかった。 きっと母は、助けて、と言っていたのに。