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…母の死を発見したとき。
私は普通に、駆けつけてくれた警察さんたちの質疑に答えていました。
代わる代わる訊かれたことに、ただ冷静に答えながら、誰に連絡しなきゃとか、これからの段取りとか、そんなことに頭を回していました。
母宅に夕方から夜に駆けつけた妹たちが大泣きする中、私は少し離れたテーブルで、緑茶を飲んでいました。
涙は出なくて。
でも、その日の昼間、質疑の途切れ間に一人になったとき、一筋だけ、流れていました。
…私は、心から、母を愛していたことに気付きました。
母が、大好きだったことに気づいた時には、もう伝わることはできなくて。
今までの憎しみへの罪悪感と、あふれる愛で、熱くなった胸を、そっとおさえていました。
…私にいちばん近かったのは、きっと母なのでしょう。
そして母も、たぶん。
どうか、空の上で幸せに。
あなたの好きな桜が、所々で咲いていますよ。
ねえ、お母さん?




