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その日は休みで…
私は珍しく母と二人でドライブに出かけました。
このころ母はあまり調子のいい時はなくて。
元気な時は普通に生活していましたが、部屋にこもることも多かった。
感情のぶれは大きく…
でも、この日の母は上機嫌でした。
一緒にショッピングをして、妹におみやげを買って…
はしゃいで帰って。
そして、その夜。
…母は、私の目の前で、処方されていた…溜まっていた大量の薬を飲みました。
私は、確かにそれを、見ていた…。
でも、心ここにあらずだったのか、薬ってあんなに飲むもの?くらいにしか、感じていませんでした。
見ていた…見ていなかった。
でも、確かに、私は、そこに立っていて。
どうしてあの時、止めなかったのか。
どうしてぼんやりしていたのか。
どうして、私はそのまま自分の部屋に戻ってしまったのか。
…もう、あの日には戻れません。
…私は、一度、母を見捨てた。
冷酷な自分は、確かにそこにいました。
…この日の自分のことはとある専門家に打ち明けておりますが、もしこの時母が命を落としていたら…
たぶん私は、ここにはいません。




