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何かありましたら感想欄のほうへご一報下さい。

 いち早く食事を終えたヴィルに飲み物を差し出してやりつつ、冒険者登録をするにはどうしたら良いのか食事中のシュネーさんに相談してみる。ゆっくり味わって飲めよヴィル。


 願わくば噂の冒険者登録とやらが、余り手間のかからない手続きである事を祈って。


「シュネーさん、俺も冒険者登録をしたいんだけど、何か必要な物とかあるのかな」

「冒険者登録ですか? それでしたらこの依頼が終了した後に、私達と一緒に冒険者ギルドへ向かうというのはどうでしょうか? 道すがら必要事項をお教えいたしますよ」

「シュネーさんの方が良いのであれば、是非それでお願いします」


 何せ異世界の事情も地理も何も全くわからない状態だ。

 昨日一晩で簡単に勉強したとは言え、闇雲に一人で移動しても確実に遭難するのがオチだろうしな。

 孤独に野宿は出来れば勘弁したい。


 しかし、ゲームみたいにシステムマップを表示させたり出来ないものだろうか。

 二人の前でゲームのメニューリストを弄る訳にも行かないし、今すぐには確認が出来ないが。


「ジルバさん程の力をお持ちでしたら、すぐに十等級まで上がると思いますよ」

「その……良かったら今言った『等級』ってのが何なのか教えてもらえますか?」


 シチューを上品にスプーンで掬って口に運びつつ、笑顔で俺の実力が云々といい始めるシュネーさん。

 いやまぁ今現在の俺の実力とやらがどの程度の物なのか、比較するものがないのでよく判らないんですけどね。それよりも昨日シュネーさんとヴィルから聞いた『等級』とやらの内訳が気になる。


 多分ヴィルが九等級でシュネーさんが七等級だと言っていたので、数字が低くなればなるほどランクが上がって行っている物だという事だけは判るんだが。


「あ、はい! 『等級』というのは冒険者としてのランクを表すもので、一番最初に登録した時点では『十二等級』となります」

「ランクを上げるにはどうしたら? あとランクが上がると何かあるんでしょうか」

「ランクを上げるには、依頼をこなして実績を積んでいく必要があります。他にも実力者からの推薦等があれば『十二等級』からでなく、ある程度上のランクからスタートする事も可能です」


 つまりあれかね、例えば高い等級ランクを持つ師匠かなにかに弟子入りした奴が、修行後に冒険者登録した場合。その師匠からある程度の実力を示す推薦を貰ったりしてれば『十一』や『十』から開始できるって事か。


 俺の場合はシュネーさんに推薦を頼めば楽になったりするのかな……

 いや、別に急いでその『等級』とやらを上げる必要は無いんだったな。


 向こうに帰る方法を探しつつ、いちおう気楽にこの世界を巡るつもりなのだし。


「なんでしたら、私がジルバさんの実力を保証する推薦状をしたためてお渡ししますよ!」

「いえいえ、そんな悪いですよ。別に急いで『等級』を上げるつもりはないので大丈夫です」


 そしてと云うか案の定と云うか。

 シュネーさんが気を利かせて、俺に推薦状を書いてくれると言い出したので、とりあえずお断りする方向で交渉を進めておいた。

 まぁヴィルよりも下になるって考えると少々納得が行かないが。

 戦闘能力的な物で言えばヴィルも結構凄いと思うんだよな。


 まぁ『九等級』とやらが、どの程度の実力を示すものなのか謎なのだが。


「それで『十二等級』というのは、どの程度の実力があるという意味なのでしょうかね?」

「はい、一番最初の『十二等級』は仮の冒険者という感じで、何かしら簡単な依頼を一つこなして始めて『十一等級』の新人冒険者として認められることになります」


 つまり『十二等級』は、基本的に誰でも登録できる感じなのかな。


「ふむ……仮登録みたいなもんですかね」

「はい、そのように考えていただいて良いと思いますよ。書類が記入できるのであれば、未成年でも登録出来ますから」

「さほど審査がキツイとかは無いんですか?」

「はい。ギルドでお名前と得意な戦闘手段等を書類記入して登録するだけですね。一応この胸に下げている等級証を作成する為に、血液を一滴使うくらいです」


 血液が必要なのか。DNA登録とかしたりするのかね?

 まぁ魔法の道具で何かしら判別できるようにするのかもしれないど、俺のこの身体に流れているのはちゃんと赤い血なのか少々気になる。


 俺のキャラクターの『設定』としては、血の色が緑だったり黄色だったりする可能性は無いと思うんだが、一応後でちょっと指先でも突いて血の確認をしよう。不安材料は取り除いておくに限る。


 なにやら飲み物のお礼に俺の肩を揉むといい始めたヴィルに、断るのもなんだなと思ったので肩マッサージの許可を出す。凝ってる感じはしないんだがまぁ良いだろう。好きにすると良い。


「いろいろ教えていただいてありがとうございます」

「いえ、これ位のことでしたらドンドン頼ってください!」


 会話しつつもシュネーさんの食事が終了したので、ヴィルに肩を揉まれながら部屋に戻る事にする。

 そういえば片づけがまだ済んでいなかったな、と自分の食器を片付けようとしたのだが、食器はシュネーさんが手早く纏めてカウンターに運んでいってしまった。


 おいヴィル、アレはお前の仕事じゃないのかね。


 その後、肩揉みを完了させたヴィルとシュネーさんは、村の周囲を見回ってくると行って大分破損してしまった装備を気休め程度につけなおし、俺には部屋で休んでいてくださいと言い残して出掛けていった。


 何だかゴロゴロしてばっかりだけれど、良いんだろうかね。

 一応居候と云うかお金をたかっている状況なのだが。


 もうちょっと俺にも仕事をくれても問題ないんだが……

 俺が何を出来るかがまず判らないんだし仕方がないのか。


 今は、この世界でゲームシステムがどれ位機能しているのか、それを確認する事に意識を回そう。

 ゲームメニューを眼前に呼び出して、システムの項目を確認する。


 おお、あるじゃないかマップ表示!

 ゲームと同じならば周囲の細かい地形は判らないが、ある程度の高低さや川とか森等の表示はしっかりとされるはず。あと建物内部の形状も、自分が移動してマッピングした場所ならば表示される。

 ダンジョンマップもこの形式で埋まっていくタイプだ。


 とりあえずメニューのマップ表示をオンにしてみると……

 んー、視界の端に半透明のマップが表示されている感じだな。

 ちょっと目障りな気がするが、表示形式を変更したり出来ただろうか。


 適当に弄ってみると、視界の端に固定される様に表示される半透明のマップ形式から、目の前にメニュー画面と同じ感じで表示する、不透明マップに変更する事が可能だとわかった。

 移動中は半透明で表示して、詳しく確認する時はこっちの形状にしよう。


 ゲームの画面で半透明マップを見ていたときは、特に邪魔だと感じた事は無かったんだが……

 いざ実際にそういう風に表示されると地味ーに邪魔なんだよな……

 やっぱりゲームと実際の身体との差異って奴か。


 その後、ストレージの中身を整理整頓する為に、一旦ソートボタンでアイテム並びを整えて、今まで一度でも使った事のあるアイテムを除外して、指先を滑らせてドラッグさせ下の方に移動させていく。


 中々面倒な作業だが、普段からキャラのストレージを整頓なんてしてないからなぁ……ぐちゃぐちゃだ。


 カロリーバーや飲み物系等、ポーションの類を移動させて残ったアイテムを確認する。

 残ったのは、普段から使っていたような使用回数無制限のアイテムと素材アイテムばかりだ。


 携帯用解体炉や合成炉に各種合成マテリアルや触媒が、相当量ストレージに保管されているのが確認できた。んー何でこんなにマテリアルと触媒が入ってるんだっけな?


 ああ、そうかそうか! イベント中に拾った不必要な装備品を、逐一解体炉で素材に変換してたんだっけな。装備品はスタックできないから、ストレージの容量を圧迫するし邪魔だったから。


 使わないなら拾わなければ良いだろうという話なのだが。

 俺は貧乏性だから全部拾って全部解体してたって訳だ。


 このマテリアルも何かしらアイテムを作る時が来たら、きっと役に立つだろう。

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