4話
こんにちわ。
どうやら、名前の募集は良くないらしいです。教えてくれた方、ありがとうございました。
15.01.29.23:00
所々修整しました。
ドルトリン王国まではあと3週間。
今通っている道は、安全でつまらない。なので、アイテムボックに入っている焼き鳥を食べていた。
「お嬢ちゃん……さっきはゴメンな?」
「誰にゃ?」
「さ、さっきお嬢ちゃんに喧嘩売っただろ?」
「ああ。貴方にゃ。どうしたのかにゃ?」
「お嬢ちゃんが強いとは思わなかったんだ……」
「そりゃそうだにゃ。それは自分でもわかってるからいいにゃ。これからきをつけてくれればにゃ」
語尾の「にゃ」のせいで威厳の欠片もないよね……
この装備外したいけど、他の服は着れないみたいだから……いくら私でも、下着姿で人前に出るなんでごめんよ。
「そ、そうだな! 次からは気をつける!」
「他の人に対してもだにゃ?」
わかったと返事をされ、会話が終わる。
むしゃむしゃ……ん?焼き鳥の在庫がなくなってしまった……トウモロコシは片手間で食べれないし、メロンって気分じゃないからな〜……あれ? そういえば、温かいし、近くに川があるよね? ってことは!
「ねえねえにゃ」
「はいなんでしょう?」
「私、少し小隊から離れるにゃ。安心して欲しいにゃ、何かある前に戻るにゃ。それじゃ」
「え? あ! ちょっと!」
私は制止を振り切って馬車から離れる。
私から200m離れないように気をつけながら、森を散策する。
川があったから、探せばあるはず! えーっと、あ! 木がないとこ発見! すぐさまダッシュで駆けつける。
「あったにゃ!!!」
そこには、大量のサトウキビがなっていた。マップを見る限り人がいないので、野生のサトウキビということになる。
「取り放題にゃ!」
早速魔法を使いながら収穫する。
体育館よりも広い場所に生えていたので、かなりの量になる。
「あまいものにゃ……ようやくにゃぁ!!!」
この世界に来てからというもの、ずっと甘いものがなかった。自分で探しに行くという手段を思いつかなかったため、今まで食べれていなかった。
我慢出来ず、体に害がないか調べる。
「しょ、食用のサトウキビにゃ……あぁにゃ」
害がないことを確認し終え、両端を愛用の果物ナイフで切り落とす。そして、皮をむき、四つに切り分けかぶりついた。
「あ、あまいにゃぁ……」
幸せすぎて、思わず目尻が下がった。
あれ? なにか忘れているような??
ああ! 馬車!
急いでサトウキビを収穫する。
風の魔法ですべて狩り、再びかぜ魔法を使って自分の元へと集める。そして、サトウキビに触れ、入れと念じた。すると、光の粒子になり、手袋に吸収されていった。
「よしにゃ!」
終わったので、急いで馬車の方角へ走る。
いた! 良かった……何も無かったみたいだ。
「お待たせにゃ」
「おうお嬢ちゃん。どこいってたんだ?」
「少し散歩にゃ」
「そうか」
もといた場所に戻り、サトウキビを食す。ネルコッチが物珍しそうに見てきたが、上げるつもりなど毛頭ない。
「あげないにゃ」
「いらないんだが、美味しいのか?」
「とっても甘いにゃ」
「あ、あまいだと!?」
「そうにゃ。限られた王様しか食べられない、あの甘いにゃ」
「ち、ちょっとでいい! くれないか?」
「殺されたいにゃ?」
「ひぃぃ!!!」
この前の日ではないさっきを込めて言い放った。このサトウキビは誰にも渡さないわ。
ま、甘いものを食べた王族以外のものは、みんな罪になるんだけどね?
どうやら、それだけ貴重なものだから、王様が独り占めしてるらしいの。
私にはもう関係ないけどね!
ん? 魔物の反応がある。ここから200m右に行ったところだね。このままこっちに来ればいいけど……こっち来なきゃいいけど……
ま、来るまでむしゃむしゃしてよう。
むしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃむしゃ……
喉乾いた……
流石に気持ち悪くなってきたわ……
魔法を使って、冷たくない氷のカップを作り、その中に水を入れる。
それを一気に飲み干した。
「ぷはぁ〜にゃ」
毎回思うけど、ため息とか、くしゃみとか、咳とかにも「にゃ」ってつくのやめて欲しい。
私の場合、くしゃみをするとその後も何回か出るのよね。
くちゅんっ! にゃ。くちゅんっ! にゃ。くちゅんっ! にゃ。
くしゃみして恥ずかしいよりも、語尾の「にゃ」の方が恥ずかしい。
全部あいつのせいだ。死んだら殴り込みに行ってやろう。
それはさておき、そろそろ武器のメンテナンスをしよう。
私の愛用の武器は、金剛龍の牙を使った剣と果物ナイフだ。無論、アイテムボックに常時入れているため、普段は身につけていない。
必要な時は、出ろ! って念じるだけで手に握られた状態で出てくるから、誰よりも速く抜刀出来る。
ま、剣を使うことなんて、魔王を相手にした時だけだろうね。いるかすら分からないけど。
他はパンチで粉砕するかね……
知ってる? 世の中チートだけじゃ楽しくないんだよ?
果物ナイフ研がなきゃ。
剣は、私の魔力を流すと、勝手に直るんだよね。しかも、直す前より鋭くなるんだ。どこぞの戦闘民族の魂が入ってるんじゃないかな?この剣。
「お嬢ちゃん。その果物ナイフ、まさかダイヤモンドで出来てるのか?」
そりゃ気になるよね。
自分より年下の子供が、自分の手の届かない代物を持っているのだから。
「そうにゃ。切れ味がいいから、食べ物の味を壊さずに切れるのにゃ」
「そうか。さすがSランクだな……」
「ありがとにゃ。そのSランク様に睨まれても死なないあなたの方がすごいと思うけれどにゃ?」
皮肉には皮肉で返す。当たり前だよね?
ん? 先程の魔物、付かず離れずでついてきてるわ?
これは、尾行されてるのね……ワクワクするわ。
「ねえねえにゃ」
「何かありましたか?」
「なんか、魔物に尾行されてるみたいだから行ってくるにゃ」
今度は何も言われなかった。
好都合だわ。
走っていくと、向こうもこっちに気づいたのか、殺気を向けてきた。
思わずにやけてしまう。
(猫耳美少女がニヤケながら魔物を殺すって、かなり怖いわよね……)
ふと思ったが、魔物の姿が見えたため、その思考を中断する。ティラノサウルスに、角が生えたような感じの魔物で、全身が黒い。
「デュークドラゴンにゃ!?」
デュークドラゴンは、速い、硬い、強いと、三拍子揃った曲者だ。
このドラゴンが馬車を襲えば、数秒と待たずに全滅するはず。
とりあえず、全力で殴りに行く。
「おりゃ!! にゃ!」
パーン!
と音がして、デュークドラゴンが物凄い勢いで吹っ飛んだ。
「あ、飛んでいっちゃったにゃ!」
急いで飛んで行った方へダッシュする。
デュークドラゴンは、3キロほど行った場所にあった岩に、頭から刺さっていた。
必死に藻掻いているが、地面に足がついてないので、抜け出せずにいる。
か、可愛い……
それはさておき、さっさと馬車に戻らないと行けないので、胴体を切断して、魔核を取る。
「相変わらず非道なこともできるようになったにゃ……」
名誉のために言っておくけど、こういう非道なことができるようになったのは、五年前からだよ。
さて、馬車に戻ろう。
来た道?を急いで戻り、ドルトリン王国への道へ出た。
「えーとにゃ、むこうにゃ!」
ダッシュ!
ちなみに、ダッシュすると時速1000km出る。
走り出して1秒、馬車が見えた。
あ、まって? 止まれない……!
慌てて足を止めたけど、3キロほど滑ったのだった。
【リナよ】
「なににゃ?」
【何のために護衛の依頼しか受けないのじゃ?】
「魔核とるのが面倒だからにゃ」
【お主、自分で取ってたじゃろ?】
「にゃ……」
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