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護衛猫耳少女は時々冒険者になるかも  作者: さくらていすと
ドルトリン王国までの護衛〜
2/8

2話

2話目です。

私がこの世界に来て25年が過ぎた。

この世界での私の名前はアイリーナ。

もともと貴族だったので、ファミリネームはあったのだが、家を出る時に捨てた。


嬉しいことに、この世界では私は美少女だ。うん。

黒髪のショートで、赤目。

しゅっとした小顔で童顔。あ、そりゃ15歳で成長止まってるから当たり前だよね。


それでね?私は今、冒険者の仕事をしてるんだ。

具体的にいうと、護衛の仕事かな。


冒険者っていうのは、日本でいう何でも屋、万屋みたいな職業なんだ。

依頼人が、冒険者ギルドに依頼を出して、その依頼を冒険者が受けるって形。

もちろん、個人の技量がわかるように、ランク制度を取り入れてる。

F、E、D、C、B、A、Sランクとある。


この世界の平均ランクはDで、そのランクまで到達するのに、10年かかる。

ま、それもこの世界の戦闘の水準が低いからってのもあるけどね。

大体、私の元の世界、地球ね。での自衛官だと、Cランクまで行くはずだよ。魔法を使えない自衛官ですらこの世界の水準より高いのだ。もし、自衛官が魔法を持ってこの世界へ来たら、余裕で征服しちゃうだろうね。けど、この世界にも強い人たちはいる。Bランク以上の人たちだ。

Bランク冒険者は、独りで自衛隊の小隊並の力を保有してる。それだけでも驚異だけど、Aランク冒険者はそのさらに上、一国の軍に値する。

敵対したくない存在だね。ちなみに、Sランク冒険者は、人外レベルだって。はは。



前世と違い今世では働き者だよ?

今も護衛の仕事を受けたから、護衛対象者の場所に向かってます。


あっ、焼き鳥だっ!美味しそー…美味しい!あっ!焼きとうもろこしだっ!美味しそー…美味しい!あっ!メロンだぁ〜美味しそ〜…美味しい!


あ、買い食いしてたら、時間がっ!


でも、私可愛いから許してくれるはず!






「おい。お前が護衛か?」

「そうだけど、守ってくれる人に対して、その口の聞き方はないんじゃないかにゃ?」

「にゃ?」

「気にすることないにゃ。癖にゃ。」

「あ、あぁ。わるかった。俺の名前はゲルンディア。ゲンってよんでほしい」

「わかったにゃ。私の名前はアイリーナにゃ。こう見えて高ランク冒険者にゃ。一応…にゃ」

「猫耳、猫の着ぐるみ、猫の手、猫の靴…アイリーナ……猫少女ってお前のことか!?」

「しらないにゃ…」


しらない。そんなひとしらない。私は今年で30過ぎてます。精神年齢が…



【現実逃避はやめといた方がいいと思うがのぅ。その装備を着てから既に10年がたっておるぞ? ふぉっふぉっふぉ】



急に出てくるな! 暇神が!


【いつもお主を見ておるぞ?】


神よ、私はあなたの悪名を広めることにします。覗き魔として…


【じょ、冗談じゃよ……やめてくれんかのう…信仰がないと力が弱まるんじゃよ…】


ならこの猫装備どうにかしろよ!


【可愛いじゃろ?猫耳のカチューシャ、猫の着ぐるみ、猫の手、の形をした手袋、猫足の靴。最高じゃ。福眼じゃぁぁ!】


変態。


それより、一番困るのが、語尾についちゃう「にゃ」。

あれって、猫装備を着用してると、必ずついちゃうのよね…


【可愛いじゃろ?】



【わかったわい。じゃ、次は数年後になるかのう。】


もう来んな!


【ふぉっふぉっふぉ。それは嫌だのぅ。では】


そう言って神の念話が切れる。

はぁ。この装備、性能は凄い良いんだよ。けど、痛々しい。


見た目が15歳だからいいけど、心はおばさんなんだぞ!?三十後半で痛々しいことしてる元女子アナみたいなんだぞ!?

はぁ。つらいわ。


「それで。私の護衛は必要なのかにゃ?」

「お願いしたい。あの噂が本当なら、お嬢ちゃんはかなりのやり手だからな。」

「どの噂か知らないけど、どこまで行くにゃ?」

「ここから北にずっと言った場所にある国、フローデンス王国だ。」


え?


「どうしたお嬢ちゃん」

「ごめんにゃ。この依頼は蹴るにゃ。」

「どうしてだ?」

「寒いとこ無理にゃ。絶対にゃ」


この装備、寒さには耐性がないんだ。暑いとこなら、どんなところでも涼しいけど、寒いとこだと、体感温度を二倍にして感じさせてくるんだ。つまり、ほかの人にはマイナス5℃だとしたら、私にはマイナス10℃に感じるってことよ。耐えられないでしょ?


「依頼失敗になるがいいのか?」

「脅しかにゃ?残念にゃ。それだけじゃ私のランクに傷つかないにゃ。逆にこのことを言わなかった罰をギルドに与えてやるにゃ」


私はそう言って、ギルドへ戻るのだった。



「ちょっとにゃ!これ、北国だって聞いてないにゃ!」

「あの、それでは依頼失敗になります。ギルドカード出してもらってもよろしいですか?」

「それよりにゃ!グレンだすにゃ!」

「ぎ、ギルドマスターは今他のお客様の相手をしております。なので、それはできません。」

「へぇ…にゃ。小娘、新人かにゃ?」

「わ、私より年下に言われたくありません!」


ダメだ。この娘私のこと舐めてる。ま、私の格好なら仕方ないけどさ。


「ならいいにゃ、居場所ならわかるから自分で行くにゃ」


そう言って上の階に行く階段を上がる。


「そ、そこはBランク以上の方しか行けない場所です!」

「ねぇ、ディアにゃ、そこの小娘を叱っておいて欲しいにゃ。人は見た目じゃないってにゃ。」


いい加減鬱陶しくなったので、私の一つ下の受付嬢、ディアにお願いする。彼女は、私が冒険者となった一年後にこのギルドにやってきたのだ。その時から仲良くしてるので、私のお願いなら大抵聞いてくれる。


「ええ、わかったわリナ。」

「ありがとにゃ。今度おごってあげるにゃ。」

「え?フロンディアさん!?」


先輩の予想外の反応に動揺する小娘。

ま、何事も経験だからね。頑張れ若者よ…私もか!てへっ!





ギルドマスターの部屋までやってきた。

私は、ノックもせずに入る。


どごおぉぉっん!!!


吹き飛ぶドア。


え?ドアノブ?なにそれ?必要?


「リナよ…お前は毎回ドア壊すな!!!」

「なににゃ!グレンが依頼を確認しないからいけないにゃ!北国ならちゃんと書いて欲しいにゃ!」


私はそう言って依頼書をグレンに叩きつける。


「それとこれとは話が別だ!」

「別じゃないにゃ!グレンが確認してたら破壊しなかったにゃ!」

「嘘つけ!ことある事に破壊しやがって!金請求するぞ!」

「グレンがしっかりすれば、壊れることなんてなかったって言ってるにゃ!金にゃ?そんなのいくらでも払ってやるにゃ!」


そう言って、金貨を大量にばらまく。

猫装備って、全部がアイテムボックスになってるから、どこからでも出せるんだよね。お金なら困らないぐらい持ってるから、この部屋いっぱいにばらまいても、支障はないよ。


「ばかか!金貨一枚で十分だわ!」

「とか言ってちゃっかり数枚ポケットに入れてるにゃ!貧乏グレンにゃ!言いふらしてやるにゃ!」

「そ、それだけはやめてくれ!!」

「じゃあ謝るにゃ。それで許すにゃ。」

「すまなかった…くっ」

「ふふっ。勝ったにゃ」

「くそっ…」

「はいはい。それじゃ、グレンは仕事してくださいね」

「ディアか。わかった。」

「それじゃ、私はほかの護衛依頼を受けるにゃ。」


そう言って部屋をあとにする。


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