1話
はじめまして。
今日から1週間は不定期更新で、その後は週に一度更新します
拙い文章ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
真っ白な世界。
あたりを見回しても何も無い。
地面すら。
私は息ができる水の中にいるような感覚を味わっている。
楽しい。
私がここにいる理由だけど、多分死んだからだと思う。
絶賛自宅警備中だった私は、23歳になったあの日、階段で突き落とされたのだ。
誰かは忘れた。
ちらっと見えた気もするけど、自殺する勇気がなかった私にとっては天使にしか思えない。
あっちは重りが消えてハッピー。
私は自由になれてハッピー。
win-winの関係でしょ。
それより、もうひと眠りしたい。
おやすみ。
『待つのじゃ』
誰。私の眠りを妨げるのは。
『どっかの悪役みたいなセリフ言うな』
言ってみたいじゃない。それに、本当に眠いし。
『それでも、お主は寝れぬぞ?』
なんで?
『それは、お主が死んでおるからだ』
知ってるけど、眠れないのと何の関係があるの?
『それは、寝るというのは肉体がすること。つまり、精神のみになったお主はできぬことなのじゃ。』
へぇー。目は閉じれるけど、意識があるってことね?
『そういうことじゃ』
ふーん。で、私に何のよう?
『わし、神なのじゃ』
で?
『で?…あ、あぁ。お主を別の世界へ送ろうと思ってな』
なんで?
『送ろうとしている世界の魂が1つ消滅して、お主の世界に魂が一つ誕生して、そこにちょうどよく死んだお主がいたから。』
意味わかんない。
『ま、神の事情じゃ。拒否権はないぞ?』
それはひどい話ね?でも、何かくれるんでしょ?
『そうじゃな、こちらが無理やりやらせようとしていることじゃからな』
じゃあ、お願いを20個聞いてもらおうかしら?
『20個?ちと多いな』
じゃあ15個
『3個じゃ』
それは少なすぎる。14個
『ダメじゃせめて4個』
あなた、頼みごとしている(|強制)のに、偉そうな態度ね?それが神様なのかしら?13個
『うっ…じゃが、5個これ以上は…』
じゃ、私がその世界に行ったら、あなたのこと悪いように広めてあげるわ?
『そ、それは…』
10個。これ以上は無理よ。
『…わかった。では、願いを申してみよ』
まず、強靭な肉体が欲しいわ。普通の女の子の体だけど、人間なんてパンチ一つで塵に出来るほどの。
『むきむきじゃなくても良いのか?』
むきむきの女の子になんの需要があるの?それと、手加減はできるようにしておいてね?力を使いたい時だけ使えるように。もちろん。魔力もあるわよね?
『あるぞ。お主が行くところは、剣と魔法の世界じゃからな』
へぇ。強靭な肉体ってことは、魔力もそこを尽きない程大量にしておいて。
『わかった。次の願いは?』
二つ目、その世界の知識、すべてが欲しいわ。
『それは無理じゃ、人間の許容範囲を超えておる』
だから、強靭な肉体が欲しいって言ったのよ。
『あ、なるほど』
三つ目、次の寿命は500年にして。
『何故じゃ?』
多くの時間を寝ていたい。精神じゃ寝れないってことわかったから、死ぬより生きて寝たほうが幸せ。
『そうか。それでは次は?』
四つ目、生まれは裕福にしてね
『わかった。』
五つ目、15歳になったら肉体の成長を止めて
『ほぅ?何故じゃ?』
年をとるごとに、寝るのって苦痛になっていくの。私が一番幸せと感じてたのが15歳だからよ?
『成長が止まるということは、いくら鍛えても、走っても、強くならないのじゃよ?』
あなた…そのための一つ目の願いでしょ…
『あ、なるほど』
はぁ…
次の願いの前に、一つ質問させて?
『よいぞ』
次の世界で、ステータスってあるかしら?
『あるぞ』
それって、いつでも見れるのかしら?
『いや、水晶がないと無理じゃ。』
なら、六つ目は、私の視界に、メニュー画面を作って?
『お前の世界の、ゲームというやつか?』
そうそう。左下には、自分を中心に半径200mの付近のマップがあって、敵意のあるヤツは赤く表示され、ないやつは青く表示される。で、右下にはメニューボタンがあって、中に入れると時が止まるアイテムボックスや、ステータスとかいろいろ項目があるヤツ。
『わかった。それで他には?』
七つ目、私に最強の装備をくれない?
『最強だな?わかった。』
八つ目、人生を100回贅沢して生きれるようなお金をちょうだい。
『金か。問題ないぞ』
九つ目、食べても太らない体にして欲しい
『ここでやっと乙女の思考じゃな』
うっさい。
そういえば、私の記憶ってどうなるの?
『削除されるな。』
なら、最後は記憶の引継ぎね。
よろしく頼んだわよ?
『わかった。では、来世を楽しんでくるんじゃよ』
そこで私の記憶は途切れた。
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