11話-魔王、対策立てる-
「水晶玉で監視してた時『なんか手紙書いてるな』とは思ってたが、まさか魔物からの投書の返信をしていたとは……」
「今回の調査で魔物の半数が『勇者に投書したことがある』とのアンケート結果が出ています」
「勇者への投書、メジャーすぎだろ!? つーか勇者もそんな大勢によく返信できるな!?」
「勇者はとても律儀な人物らしいですからね」
「律儀すぎだよ。もはや機械なんじゃないか、この勇者」
「……で、魔王様は今回の件をどのように対応しますか?」
「そんなの決まってる。速攻勇者への投書を禁止にしろ!」
「それはできません。魔物達のほとんどが勇者への投書を生きがいにしておりますので、下手に禁止にすると暴動が起きる可能性があります」
「もっといい生きがい見つけろよ、魔物ども……」
「とにかくこちらから強行策を出してしまうと、魔王様の立場が揺らぎかねません」
「ぐぅ。だがこのままだと情報が垂れ流しになってしまう。なにか策は、策は無いか……」
「……策でしたら、私にいい案がございます」
「! 本当か、側近!」
「はい。魔王様の評価を下げず、尚且つ魔物と勇者の交流をやめさせることができると思います」
「い、一体どんな方法だ?」
「それは……」




