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おでんと手袋(私ver)

作者: 碓氷夏恵

私と彼の繋がりはただのクラスメイト。

けど、最近よく目が合う。


友達には恋の始まりかもよっとからかわれたけど、私には好きな人がいるから困るよと否定した。


やたら目が合う彼と変化が起きたのは2週間前のこと。


進学のためにお金を貯めようと先月から始めたコンビニのバイトで彼を見かけたのがキッカケだ。


「また、立ち読みしてる!!」

彼が立ち読みしていたら、必ず後ろから声をかけてからかう。

「うっさいな〜。あとでおでん買って、お店に貢献するから黙ってて!!」

「毎度ありがとうございます」

私は笑いながらバックヤードに戻る。


彼とはあまり喋ったことがなかったから、話すようになっておもしろい人だということがわかった。


いつも私がレジ担している時に並んでおでんを買ってくれる。私は少し多めにつゆを入れる。


将来、高血圧になりますようにと願いをこめて。

ウソです。外は寒いから暖まるように多めに入れてます。彼は気づいてくれてるのかな。


たまに、私のバイトが終わるまで待っててくれることがある。そんなに遅い時間ではないのに入り口で待っててくれる。


その優しさは時々私を勘違いさせる。恋人でもないのにその優しさは少し困る。


明日はホワイトデーである。

「あたしさー、明日先輩に告白するんだ!!」

バイトの帰り道に私は彼に言った。

「何でホワイトデーに告白するんだよ」

やっぱり時期的におかしいよね。バレンタインデーにみんなあげてるのを見て尻込みしちゃったんだ。先輩、人気なんだもん。

「いいじゃん、別に」

「そっか、バレンタインデーに告白出来なかっただろ」

彼にはすぐ見抜かれる。

「そうだよ」

私はふてくされながら答えた。

「だから、今度は絶対告白出来るように」

私は手をぎゅっと握りしめ、信号が変わるのを待った。

「まあ、がんばれよ」

「うん」

見上げると答えた彼は私の顔を見てくれなかった。いつもは目を合わせてくれるのに。


翌日の放課後

私は先輩を呼び出し、告白した。結果は見事に玉砕。まあ、先輩には違う高校に彼女がいるって噂になっていたから、期待はしてなかったよ。


帰り道

駅のホームで電車を待ってると不意に涙が出てきた。

やっぱり、振られると思っていても実際振られるとキツイ。


涙が出てきた。

私は泣きながら電車に乗りたくなかったから、1本電車を見送った。

私はベンチに座って涙が止まるのを待った。

涙は止まらないけど、涙を流しているのにほっとしている私がいた。

私は先輩のことが本当に好きで告白して振られて涙が出て悲しくなって。先輩にはただの憧れではなく、異性として好きだったんだと分かって。


次の電車は5分後。

もう涙は拭おう。家に着いてから、おもいっきり泣こう。


そして、また恋をしよう。

今度はありのままの私が見せられる人を好きになりたいな。


もう電車が来る。


立とう。私の足は前に進むためにあるのだから。


題名にはおでんと手袋って書いてあるのに、手袋は一切出てきません。オレオレ詐欺ならぬ題名詐欺です(苦笑)


おでんと手袋(僕ver)ではキーアイテムとして出てきます。


おでんと手袋(私ver)で気になった方は是非僕verも合わせてお読みください。

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