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5.暴走

暴走します



 僕達は、それぞれ何かしらの“力”を持っている。



 それは、内部的なものであったり、外部的なものであったりと様々。



 この学園は、そういった“力”を伸ばす目的もあるらしい。



 能力の上昇、魔力の増幅、“力”の制御…………。



 まぁなんか色々。




 ……なぜこんな話をしているかというと。


「うわああああああ!!」

「坂本がキレたああああ!!」


 ちょっとした惨事が起きているから。


「なんか荒ぶってんな……」

「大変だね」

「いや二人ともさ、止めるか逃げるかしようよ」


 完全に他人事だと思ってるね……。


「ちょ、坂本落ち着――うぉっ!?」

「誰か!誰か教師を呼べーー!!」

「カオスだな」

「カオスだね」

「いやだから二人ともさ……」


 見た感じだけで、少し説明しようかな。


 僕達三人の前方、男子生徒(坂本くんだろう)がブチキレていて、何やら魔神のようなもの(たぶん3メートルくらい)を召喚した。

 それを止めにかかった一人の生徒、間一髪で攻撃をかわした。ナイス回避。

 坂本くんの暴走を見かねた別の生徒が教師に報告に向かったところ。

 ……あ、さっき止めにかかった人が撤退した。


「で、柚。あれ闘ったらどうなるだろうか」

「そう……だね。勝てないんじゃないかな」

「そうか……じゃあ」

「やっぱりここは」

「三十六計」

「逃げるに」

「「如かず」」


 もしかしてそれがやりたかっただけ!?どんな芸人魂!?バカなの?バカなんでしょ!?


 ……あ、坂本くんこっち向いた。


「……お前達も」

「あ、これって」

「マズイパターンだな」

「え、巻き込まれ確定?」

「ぶっ飛ばすッ!」

「やっぱりだああああああああ!!」

「逃げよ逃げよ」

「あとで教室で落ち合おうぜ」

「なんでそんな軽いテンションなの!?緊張感、寮に忘れてきた!?」

「じゃあボクはあっちに」

「なら俺はあっち。ほら行くぞ猫」

「にゃっ」


 柚がすたすたと元来た道を引き返し、槙が肩の猫を抱き抱えそれとは別の方向に歩いていく。

 ……はっ、僕も逃げねば。じゃあ、あっち……。


「逃げるなオラアアアアア!!」

「ふははははは、ほらこっちだぞ〜」


 坂本くん(と魔神っぽいやつ)が槙を追った。槙は神経を逆撫でするような言動とともにひょいひょい逃げ回る。イライラするわぁ……。

 とりあえず物陰に隠れて様子をうかがう。槙は魔神っぽいやつのパンチをかわしていた。うわぁ、動きもウザい。しかも猫抱き抱えたまま。


「どうしたんだ〜?当たらないぞ――おうっ」


 ほら槙、余計な事するから……。当たらなかったから良いけどさ、今のは下手すりゃ当たってたよ?たぶん病院送りだよ?


 ……あ、先生きた。仕事早いね。槙は……消えてる?坂本くんも探してるみたいだ。どこに行ったんだろう。


「やれやれ、危なかった」

「うわぁ!?」


 いきなり隣に!?やめてよそういうの!


「先生来たな。あとは任せよう」

「いや槙、さっきのさ、避けてないで早く逃げれば良かったんじゃない?」

「足の速さ的に無理そうだったから」


 ……危険な賭けだねぇ。


「そう思うなら、キミはもう少し身体を鍛えたら良いのにと思う」

「面倒だ」

「危険よりはマシだと思うよ……」


 むこうから柚が歩いてきた。槙は本当に何か運動すれば良いのに。


「さて、教室行くか」

「無駄な時間くったね」


 坂本くんがキレたからねぇ。



 ……いや、坂本くんキレさせたのは誰だよ。



そろそろ世界観は掴めてきましたか?


……まだですか、そうですか……

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