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第九話「南能嶋女神コンテスト」
「はいはーい、HR始めんでー」
私たちのクラスの担当、日生郁馬先生が、今日も元気にハリセン(何故持っているのかは不明)を片手にHR開始の号令をかけた。
席につくと、先生はいつも出席をとるのだが、今日はチョークを持ち黒板に向かい、なにやら字を書き出す。
「女神コンテスト、出場者投票……?」
この南能嶋高校は、毎年夏休み前に行われる文化祭で女神コンテストと呼ばれる、いわばご当地ミスコンと同じようなコンテストをするのだという。
「各クラスで代表者2名を出して、コンテストに出場するんやそうや。ちなみに、優勝クラスは賞金あるで」
日生先生の最後の一言で、それまでそれぞれ机に顔を埋めていた人たちが、ガバッと顔を起こした。その目は、心なしかギラギラと光っている。
「ほんじゃ、この紙に推薦する奴の名前書いて、集めといてくれや。結果は今日の終わりに」
そういって、出席簿に今日の欠席を書き終えると、先生はからからと笑いながら教室から出て行った。